英語の長文読解のコツとテクニック!TOEICもこれで攻略可能な勉強とは?
当サイトでは「大人から始める英会話」ということで、大人が英語を話せるようになるためのトピックを中心に解説していますが、今回は「英語の長文の読解」についてお話していきたいと思います。
「話せるようになりたいだけなのに長文読解なんか必要ない!」と思われる向きもあるかもしれませんが、まずひとつ重要な点として英語を話せるようになるためには英語の総合力が必要です。総合力の中にはリーディングも含まれており、そこにスピーキングやリスニング・ライティングの要素が合わさって初めて英語をスラスラ話せることがかなうのです。
また、当サイトをご覧になっている方の中にはTOEICや英検などの試験を受けることを検討している方もいらっしゃることと思います。当然ながらそれらの試験に長文問題はつきものです。長文問題がいかに解けるかがカギのひとつといっても過言ではありません。
以上のことから、英会話上達を目指す全ての人にとって長文読解のスキルを向上させるのには十分な意味があります。あまり興味が湧かないという人でも、それほど難易度の高い話はしていないので、とりあえず参考になれば…というくらいの気持ちで読んでみてください。
目次
英語の長文読解ができない理由と対策
それではまず英語の長文が苦手という人が多い理由と、それに向けての対策について解説していきましょう。
①知っている単語の数が少ない
まず最初に考えられるのは、知っている英単語の数が絶対的に少ないということです。ちょっと考えれば、いや考えなくてもお分かりになるかと思いますが、単語を知っていれば知っているほどスラスラ長文が読めるのは当たり前です。
実際には単語だけ知っていても文法を知らないと意味が変わってきたりしますが、それでも単語の意味がほとんど分かれば単語を追っていくだけでも何となく全体の文の言いたいことが分かるものです。
いやそんなこと分かってるよ…勉強しろって言いたいんでしょ?と思うかもしれませんが、その通りです。しかし、だからといって闇雲に単語の勉強ばかりすればいいというものでもありません。では効果的に勉強するには?というトピックについて説明していきます。
知っている単語の数が少ない→解決法
知っている単語の数が少ない場合の解決法はもちろん単語をよりたくさん覚えることですが、じゃあどれくらい覚えたらいいの?という話になりますよね。
研究者によると、英語には100万語以上の単語があり、毎年さらに数千語ずつ増加しているだろうと考えられています。ただこの中には今はほぼ使われない古語なども多く含まれており、実際に成人のネイティブ・スピーカーが持っている語彙数は約2万~3万5千語だろうということです。
ですが日本語もその人の学歴・キャリアや環境によって知っている日本語の種類や数(専門用語なども含む)が変わってくるように、英語のネイティブもみんな平等に同じ単語を知っているというわけではありません。
実際には、我々が義務教育で習う英単語2000語あれば日常生活の8割がカバーできると言われています。では日常生活はいいけどTOEICなどの試験は?という話になるとそれでも4000語もあれば95%はカバーできると言われています。もちろんこの4000語の中には義務教育で習うもの・すでに誰でも知っているような英単語も多く含まれていますから、単語を覚えることにそこまで悲観的になる必要はありません。
単語の勉強をする際の注意点
ひとつ注意点を挙げると、すべての単語を覚えようとして時間をかけすぎないことです。理由としては、長文を読むときに意味の分からない単語が出てきても前後の文脈で予測できるからです。逆に全ての単語を網羅する方が難しいので、知らない単語を予測するスキルを身につける必要があるといえます。
もちろんそのためにはある程度の単語を知っている必要はありますが、必要以上に多くの単語を覚えるのに時間をかけるよりは文法など他の勉強に時間を割いた方が効率的です。結論としては、英単語は義務教育で習う分をまず覚えればいいと思っていただければと思います。それ以上に補強するとしても後々で構いません。
英単語を覚えるコツについては下記リンクを参照してください。
知っている文法の量が少ない
これも基本的には単語と同じです。文法によって同じ単語でも違う意味になったりすることがあるのは説明したとおり。また長文を読解する際には文法の重要性は増してきます。特に英語の語順と日本語の語順の違いは把握しておく必要がありますし、同時に英語をいちいち日本語に訳して読むのではなく英語の語順のまま理解する「英語脳」を作る必要があります。
知っている文法の数が少ない→解決法
文法に関しても勉強しようと思えば一生勉強し続けられるくらいの量がありますが、単語と同じく全てを覚える必要はありません(というか、無理です)。まず基本は中学英語から、そこに知らない単語や文法の意味を推察する能力やスキャニング・スキミング・スラッシュ・リーディングなどのテクニックを加えていくことで長文を攻略することが可能になります。
上記のテクニックなどについては「英語リーディング」について詳しく述べた下記記事が参考になると思うので目を通しておいてください。
文法の勉強をする際の注意点
文法の勉強に関して、多読をすることを勧められる場合があります。もちろんある程度の量の長文に触れることは大切ですが、ひとつの長文を理解するまえに滅多矢鱈に次々と新しい長文を読むのは考えものです。
英語の長文はできるなら質のいい文章に多く触れた方がいいので、闇雲に長文を読みまくるというよりはまず自分のレベルに合った文章を多く読んでスピードを上げること、また逆に難しい長文を単語や文法の意味などを調べながら精読するという訓練を使い分けて行うようにしましょう。
英語の長文読解のテクニックとコツ
さて、上で説明してきた長文読解のための訓練に加えて、長文読解ならではのコツやテクニックについて解説していきます。
ディスコースマーカーに注目!
ディスコースマーカーに注目することによって、文章の流れをつかみやすくなります。それって何ぞや?と思う人へ、「ディスコースマーカー(Discourse Marker)」とは要点を探す際にポイントとなる単語や熟語などのこと。分かりにくいと思うので、下記にまとめました。
結果系 | |
Therefore | したがって |
As a result | 結果として |
Accordingly | したがって |
Thus | そのため |
要約系 | |
In short | 要するに |
To sum up | 要するに |
To put it briefly | 簡潔に言うと |
In other words | 言い換えると |
追加系 | |
In addition | 加えて |
Furthermore | さらに |
Moreover | さらに |
What is more | さらに |
On top of that | そのうえ |
例示系 | |
For example | 例えば |
For instance | 例えば |
逆接系 | |
However | しかしながら |
Although | しかし |
Nevertheless | しかしながら |
On the other hand | 一方で |
Yet | しかし |
上記の表を見ると、話しの流れが変わる際に使われる語というのが分かりますね。
ディスコースマーカーは主に接続詞や副詞・前置詞などのことが多く、これらの後ろには主張や要点などがくるケースが多いため注目すべきなのです。
たとえば試験の長文問題などのときにディスコースマーカーの部分に丸をつけておけば、長文の中で問題への回答はどこにあるのか、筆者の言いたいことは何なのかを見つけやすくなるでしょう。
設問から先に読む
長文問題を解く際にまず重要なのは、この文章は何を言いたいのか、何が書かれているのかをおおまかに把握することです。そのためには、まず最初に選択肢も含めて問題文にしっかり目を通すことです。これによって、本文を読む前に内容をおおよそ把握することができます。長文の中で問題に関係なさそうだなと思った部分は流し読みしてスピードを上げることも可能です。
ただし、「正しいものを選べ」という設問では当然のごとく選択肢に嘘(本文の内容と違うこと)が含まれています。ダミー選択肢に内容の把握が惑わされないよう注意しましょう。
主語と述語を把握する
英語というのは日本語よりも主語がはっきりしています。主語とそれに対応する述語を常に把握しておくことによって、文章が何を言っているのか見失わずに済みます。
多くの場合、主語というのは一番最初にあるので分かりやすいですが、文によっては主語が分かりにくかったり途中で主語が変わるような複雑なものもあります。主語の解釈を間違うと全体の意味も大きく間違って受け止めてしまう危険がありますが、だからこそ確実に主語を把握しておけば文章の全体像をつかむことができます。
全体の大まかな意味を把握する
これはパラグラフ(段落)ごとの要点を大まかにつかんだり、意味が分からない単語を飛ばして読んで前後の文脈から意味を推測したり、文全体をイメージしながら読むことも含みます。
共通して大事といえるのは、訳さないことです。英語→日本語にいちいち訳していては難易度の高い試験などではとてもスピードが足りません。文の日本語訳を作ろうとせずにイメージで「こんなことを言っているんだな」と頭の中で想像できることは、「英語を英語のまま理解する」英語脳を作ることにもつながります。
とにかく、英語→日本語に訳しているような時間は無いものだと思ってそうしないクセを無理やりにでもつけることが必要です。
全部を理解できないと不安だという人もいるかもしれませんが、少なくとも試験においては「文章の全てを理解する必要はない」と思っておいたほうが気負わずに読むスピードを上げられるかもしれません。
まとめ
はじめにお話ししたように、英語力というのは総合力であり、リスニング・スピーキング・リーディング・ライティングの全ての要素が絡んで上達していきます。
英語の長文に関しても、TOEICなどの試験で高得点を狙う・狙わざるに関わらず、英語力の上達を目指すならいつかは通る道であり、また読解できるようになれば話す・聞くなど他の能力も確実に向上します。
今回解説した内容をもとに「長文は苦手…」という意識を捨て、むしろ長文を読むのが得意と言えるくらいまで頑張って学習を進めてみてください。
ちなみに本文内ではあえて触れませんでしたが、長文理解や知らない単語や文法の意味を推測する力などは、実は日本語力も重要だったりします。国語能力を上げるためにはマンガばかりでなく小説を読んだりなど、英語の勉強の合間に日本語の長い文章を読むようにするとさらに英語力の強化にもつながるかもしれませんよ。