英語の「時制」12種類をマスターせよ!基本から理解していけば以外に簡単!
みんな大好き英会話。当サイトに来てくださる方たちは、ほとんどがそのような人ばかりのはずですが…そんな人たちでも顔をしかめるような文法の問題がありますよね。
それが「時制(tense)」。
時制とは何か?というと、過去完了とか現在完了進行形とかいうアレです。中学生~高校生の頃に学校で習って苦戦した人も多いでしょう。中には時制が分からなくて英語が嫌いになったという人や、完了進行形などというワードを聞くと「キー!」となるくらいトラウマになっている人すらいるとか。
英語の時制というのは日本語には無い感覚なので、とっつきづらく感じるかもしれません。しかし一度理解してしまえばその後の学習が楽になりますし、ライティングにおいてもスピーキングにおいてもミスが多発しやすい部分なのでそれを減らすことができます。
確かにとても楽しい勉強ではないかもしれませんが、ここを理解するかどうかで1ランク上に上がれるかどうかが変わってきます!
当記事でもそれぞれの時制についてひとつひとつ細かく完璧に解説していくことはしません。苦手意識はとりあえず脇に置いておいて、ちょっとづつ理解を深めることからはじめていきましょう。
英語の時制とは何か?の基本
英語の時制を簡単に説明すると、ある出来事がいつ起きたか(起こるか)、そしてそれが完了しているか・まだ続いているかをあらわす文法ということになります。
もう少し言えば時制とは、
「時間軸(いつ)」
「動作がどんな状態か」
の組み合わせで表現されます。単純に時間だけの話ではないと考えた方が、むしろ混乱しなくなります。そのうえで次項の表を見ていただくと、より分かりやすいはずです。
時制の種類は全部で12種類
時制の種類が多くて覚えられない!という人もいるかもしれませんが、実は全部で12種類しかありません。「12種類も!」と思う人は、下の表を見てください。基本の3種類と、一般系・進行形・完了形・完了進行形があるだけです。
過去 | 現在 | 未来 | |
一般系 | 過去形 (did) | 現在形 (do) | 未来系 (will do) |
進行形 | 過去進行形 (was doing) | 現在進行形 (be doing) | 未来進行形 (will be doing) |
完了形 | 過去完了形 (had done) | 現在完了形 (have done) | 未来完了形 (will have done) |
完了進行形 | 過去完了進行形 (had been doing) | 現在完了進行形 (have been doing) | 未来完了進行形 (will have been doing) |
下に行くほどだんだんややこしくなってきますが、パターンは決まっていると考えると少し楽になるかと思います。
基本は現在・過去・未来の3種類
時制の基本となるのは現在・過去・未来の3種類です。そんなの当たり前と思うかもしれませんが、ここを文法的に理解しておくと時制が全体的に理解しやすくなります。
ちなみに厳密に言うと時制には現在と過去の二つしか存在しないのですが、それについては後述するので今はいったん置いておいてください。
現在形
「現在形なんて、今起こっていることでしょ?そんなの簡単じゃん!」と思うかもしれませんが、ここは逆にもう少し定義づけた方が理解が深まります。
ここでは、現在形が表すのは「今起きていること」のほかに「習慣」と「事実」だと考えましょう。
今起きていることとは、「私は家を出る」とか「今、電話する」などですね。
習慣とは、「毎日学校へ通っている」とか「定期的に犬を散歩させている」とか「マイクロソフトで働いている」などです。これらは習慣=ルーティーンとして考えます。
また「事実」とは、「水は100度で沸騰する」とか「彼はクラスで一番背が高い」など客観的に見た「普遍的な事実」です。
過去形
過去形は今現在とは直接関わりがない、過去のある時点の出来事や事実などを表現するときに使います。「昨日ホテルで昼食を取った」や「10年前はピアノを習っていた」などですね。
あくまで「今現在と関わりない」のがポイントになってくるので、例で言うと「10年前ピアノを習っていたし、今も習っている」ということになると単純な過去時制ではなくなってきます。
未来形
「厳密に言うと時制は現在と過去しかない」という話を先ほどチラッとしましたが、実際に言語学者たちは通常「未来」を時制だとは考えません。理由としては、未来について話すときには文法ではなく「来月」や「明日」などの文脈に頼っているからということのようです。
…ちょっと難しいですよね。なのでここではいったん、未来形という時制があるものと考えましょう。ただ上の話を頭の片隅に入れておくと、より英語上級者を目指すときに役に立つかもしれません。
さて、そのうえで未来形とはどういうものかを定義すると「未来で起こり得ること(予定)」と「(〜するだろうという)意志」ということになります。
例えば、「来年の夏アメリカに行く予定だ」「絶対に東大に合格するぞ!」「家のローンが来年で終わる」などが未来形です。実際には「will」や「be going to」を使って表現することになりますので、意外とシンプル。単純な未来形はそれほど難しくないと言えるでしょう。
進行形・完了形・完了進行形
過去・現在・未来の時間軸を理解したら、いよいよ動作がどんな状態かを表す「進行形」「完了形」「完了進行形」についてです。
だんだん嫌な感じになってきましたか?でもここをちゃんと理解すれば時制を制するのも時間の問題です。ここはひとつ食いしばって頑張っていきましょう。
進行形
進行形は、動作が始まってからまだ終わっていない状態を表します。be ~ingの形が一般的です。一般形が現在・過去・未来における一点の情報であるのに対して、進行形は長さのある線のような情報であると言えるでしょう。
これが時間軸によって過去進行形・現在進行形・未来進行形と変化するわけです。
完了形
完了形は日本語にはない概念なので、分かりづらいかもしれません。簡単に言うと物事の完了や結果、今も終わっていない進行形とは違い既に終わっている状態を表します。
「それって過去形と何が違うの?」という話になると思いますが、過去形が「過去にこうした」「過去にこうだった」という状態を表すのに対し、完了形は「過去にこうだったことを現在の視点で見る」ということになります。
ポイントは話し手の目線がどこにあるか、今現在と関係ある内容なのかどうかです。単純に過去にあった出来事を述べていれば過去形ですし、過去の話だが話し手の目線が今であれば完了形になります。
例えば「I studied English」であれば単純に「過去に英語を勉強した」という話ですし、「I have already studied English for three hours.」であれば「私はすでに英語を3時間勉強した」のように3時間勉強した後にその結果(完了した具合)を今目線で話していることになります。
上は現在完了ですが、これが過去完了になれば「〇〇の時点で3時間勉強を終えていた」ということになりますし、未来完了であれば「〇〇年後には300時間勉強を終えているだろう」といったようなニュアンスになります。
難しいですが、少しづつ分かってきたでしょうか?日本語にはない概念なので、ニュアンスが大切です。ニュアンスを理解することが、そのまま身につけることに繋がるので頑張りましょう。
完了進行形
完了進行形は簡単に言うと、動作や状況が始まった過去(前の地点)から今もなお続いている状態です。「続いてるなら完了してないじゃん!」と突っ込みたくなるかもしれませんが、こう考えてください。
ある時点を視点として、そこまでやってきた結果・成果を踏まえたうえで、それがまだ続いていることを表す
要は「ずっとし続けてるんだぜ~まだ終わってないけど!」といったようなニュアンスですね。「し続けている」感がポイントです。「3時間も勉強した」ではなく、「3時間も勉強したけど、まだあと3時間勉強しなければならないぜ!」といったような感じというと理解しやすいでしょうか。
英語の時制12種類をマスター
さて、これで基本の時間軸「過去・現在・未来」と「進行形・完了形・完了進行形」をある程度理解することができました。
ここまで来れば次の流れが予想できる方も多いのではないかと思います。冒頭で紹介した表をもう一度見てみましょう。
過去 | 現在 | 未来 | |
一般系 | 過去形 (did) | 現在形 (do) | 未来系 (will do) |
進行形 | 過去進行形 (was doing) | 現在進行形 (be doing) | 未来進行形 (will be doing) |
完了形 | 過去完了形 (had done) | 現在完了形 (have done) | 未来完了形 (will have done) |
完了進行形 | 過去完了進行形 (had been doing) | 現在完了進行形 (have been doing) | 未来完了進行形 (will have been doing) |
縦軸と横軸の意味が理解できれば、あとはその中身。縦と横の合体ですね。すなわち現在進行形や未来完了進行形などです。難しく思っていたこれらも、今なら少し理解しやすくなっている気がしませんか?
とはいえ、それぞれについて詳しく理解しようとするとひとつづつ別記事が書けるくらいの内容はあります。この記事で全てを解説するのは難しいので別の機会に譲りますが、今回の内容が理解できていれば割とすんなり頭に入っていくのではないかと思いますよ。
ここでは一応、それぞれについて軽く触れておきましょう。
進行形
現在進行形
「いままさに起きていること」を表すのが現在進行形です。日々の習慣ではなく、リアルタイムなのが現在進行形と覚えるとよいでしょう。
I’m talking to her.(彼女と(今)話をしています)
過去進行形
「過去のある時点で進行中の出来事」が過去進行形です。「~だったとき、~していた(動作が継続中だった)」というときに使われます。
I was running when you called me.(あなたが電話した時、私は走っていました。)
未来進行形
「〜しているだろう」と継続的な予定・意志を表現するのが未来進行形です。
I will be watching movies on Netflix all night.(一晩中、Netflixで映画を見ているでしょう)
完了形
現在完了形
「〜し終えた」というときによく使うのが現在完了形。今現在に関係ある過去の出来事=ちょっと前に終わったこと、のようなニュアンスです。
I‘ve just finished the homework. (ちょうどいま宿題が終わりました)
過去完了形
過去のある一点において「〜し終えた・〜していた」と表現するのが過去完了形です。過去の過去と覚えるとよいでしょう。
I had cooked when my parents came home.(両親が家に戻ってきた時、料理し終えていました)
未来完了形
「未来のある時点で完了しているはずの出来事」を表現するのが未来完了形です。
The movie will have finished when you arrive.(あなたが着く頃には、映画は終わっています。)
完了進行形
現在完了進行形
現在完了進行形の代表的な使い方は、「過去に始まり現在も動作が継続している状態を表す」です。
I‘ve been waiting for two hours. (2時間も待ち続けています)
過去完了進行形
過去完了進行形の使い方は、「過去のある時点まで継続して動作が行われていた状態を表す」です。
I had been cleaning for ten minutes when my brother came my room.(弟が部屋に来た時、部屋の掃除を10分続けていました)
未来完了進行形
「数年先でも〜を続けているだろうけど、まだ終わっていない」というように未来のある時点まで、継続して動作が行われている状態を表すのが未来進行形です。実際あまり使う機会がないので、お目にかかることは少ないでしょう。
I will have been studying for three hours when we have dinner.(夕食を食べる頃には、3時間勉強をし続けているだろう)
まとめ
今回は多くの人が苦手意識を持っている英語の時制の基本的な部分について解説してきました。
「思っていたより理解できそうかも!」と思っていただければ幸いですが、実際はそこまで甘くないのも事実。しかしそれは時制に限ったことではありません。どんな分野でも突き詰めていくと難しいものです。
ですが、苦手だからといって逃げていてはいつまでも先に進めないのはお分かりの通り。確かに未来完了進行形などと聞くとそれだけで頭が痛くなるという気持ちも分かりますが、基礎から順に学んでいけば永遠に理解できないことはありません。
今回の記事が皆さんにとって、時制という文法についてより深く学んでいくきっかけとなれば幸いです。