副詞の位置ってどこに置いたらいいの?理解して副詞マスターを目指そう
今回は、人によっては難関と言われる「副詞の位置」について解説していきたいと思います。
副詞の位置とは、文字通り「副詞を文の中のどの位置に置くのか、文法的なルールはどうなっているの?」ということです。
副詞を置く位置は比較的自由とされていますが、置く場所によってニュアンスが変わったりもしますし、やはり一定のルールが存在します。
人によってはそのルールが難しいと感じる人もいるようですね。本記事で副詞の使い方を学んで、これを機に副詞が苦手な人から副詞マスターへクラスチェンジしてしまいましょう。
目次
副詞について詳しく知ろう
副詞とは、英語の品詞10種類のうちのひとつです。品詞については下記記事にまとめてあるので目を通していただければですが、
ここではもっと詳しく理解しておきましょう。
副詞とは、名詞以外を修飾する言葉です。名詞を修飾するのは形容詞ですね。副詞は英語の品詞の中でもっとも曖昧だと言われていて、なおかつ英語の品詞の中でも数・種類ともに多い品詞です。1つの文にいくつもの副詞を入れることができるのも特徴。
副詞は形容詞や動詞を修飾し、自ら以外の他の副詞や文全体までも修飾することができます。動詞を修飾する場合は動詞の状態を表し、形容詞を修飾する場合は形容詞の程度を表したりしますね。
自ら以外の他の副詞を修飾する例としては、例えば「very well」とかですね。veryもwellも副詞ですが、「上手」という意味の「well」を「とても」という意味の「very」が修飾しています。
また名詞以外を修飾すると言いながら、まれに名詞を修飾することもあります。曖昧な奴ですね。この場合は、名詞を限定したり強調したりする役割を持ちます。例としては「Even a child can do it.(子供でもそれはできる)」などですね。
さまざまな言葉を修飾できる副詞ですが、基本的には動詞を修飾することが多いと覚えておいて間違いはないです。副詞のことを英語で「Adverb」と言いますが、これは「verb(動詞)にad(加える)」というような意味になります。このことからも、主に動詞を修飾する役割であることが分かりますね。
副詞が説明できることは、時間・場所・頻度・状態・程度・原因・結果・否定・肯定など実にさまざまです。逆に言えば、フレーズの意味をより詳細に説明するうえで無くてはならない品詞と言えます。
副詞の位置の重要性
副詞は置く場所が割と自由ですが、それゆえに置く場所によって文の意味が変わってしまうことがあります。下の例を見てください。
Only he gave me a present.
「彼だけが私にプレゼントをくれた。」(他の人は私にプレゼントをくれなかった)
He only gave me a present.
「彼はプレゼントをくれただけだ。」(それ以外は何もしてくれていない)
He gave me only a present.
「彼はプレゼントだけをくれた。」(それ以外は何もくれなかった)
He gave only me a present.
「彼は私にだけプレゼントをくれた。」(彼は他の人にはあげなかった)
だいぶ意味合いやニュアンスが変わってきますよね。このように、副詞の置く場所というのはとても重要な場合もあるのです。(ただし、置く場所を変えても意味はほとんど変わらない場合もあります。)
副詞の位置の基本ルール
副詞の位置についてこれから詳しく解説していくのですが、その前に副詞の位置の基本ルールを把握しておきましょう。これはあくまで基本であって、当てはまらないものもあることは覚えておいてください。
基本的には修飾する語のすぐそばに置く
これはまあ体感的に分かることと思いますが、修飾する語のすぐ近くに置くのが基本です。これを踏まえたうえで、次からを見ていきましょう。
動詞を修飾する場合
動詞を修飾するとき、基本的には動詞のすぐ後ろが副詞の位置になることが多いです。しかし、もう少し詳しく突っ込むと以下のようなルールがあります。
自動詞を修飾する場合
自動詞とは、目的語を取らない動詞のこと。この場合は基本的に動詞の直後です。例文を見ていただいたほうが早いでしょう。
He spoke clearly.
She drove carefully.
The plane arrived late.
They studied hard.
他動詞を修飾する場合
他動詞は、目的語が必要な動詞です。この場合は、基本的に目的語の直後に副詞がきます。
I ate the cake slowly.
She sang the song well.
He speaks English fluently.
形容詞・副詞や句・節を修飾する場合
形容詞・副詞や句・節を修飾する場合、基本的に副詞を置く場所は修飾したい語の直前です。
She is very beautiful.
He was absolutely right.
She is very nervous of having an interview for a job.
文全体を修飾する場合・副詞そのものを強調したい場合
文全体を修飾するとき・または副詞そのものを強調したい場合は、副詞は文頭に置くのが基本です。
Unfortunately, I didn’t succeed in the experiment.
残念ながら、その実験には成功しなかった。
Yesterday I met him in our office.
きのう私は会社で彼に会った。
不定詞(to+動詞の原形)を修飾する場合
いわゆる「to 不定詞」を修飾する場合は、通常toの前に副詞を置きます。
She seems always to be happy.
彼女はいつも幸せそうだ。
これに関しても例外はありますが、ひとまずはそこまで突っ込まずにおきましょう。
副詞の位置のさらに詳しいルール
基本ルールをおさえたら、副詞の分類ごとの更に細かいルールを見ていきましょう。いきなり全て覚えなくてもいいですが、徐々に身につけていきましょうね。
「頻度」を表す副詞
「頻度」を表す副詞とは、動作がどのくらいの頻度で行なわれるかを表すものです。以下のような単語がそれにあたります。
always(いつも)
usually(普段は)
often(しばしば)
sometimes(ときどき)
scarcely(ほとんど〜ない)
rarely(ほとんど〜ない)
hardly(ほとんど〜ない)
never(決して〜ない)
「頻度」を表す副詞の置く場所には、3つのルールがあります。
①動詞が一般動詞1つの場合
動詞が一般動詞1つの場合は、動詞の前に副詞を置きます。
I usually have dinner around this time.
いつもこのくらいの時間に夕食を取る。
I always drink coffee at breakfast.
私はいつも朝食にコーヒーを飲む。
I never watch television.
私は決してテレビを見ない。
②動詞がbe動詞1つの場合
動詞がbe動詞1つの場合は、be動詞の後に副詞を置きます。
I am always happy.
私はいつも幸せです。
Summer is completely over.
夏は完全に終わりだ。
I’m rarely at home.
私はほとんど家にいない。
③動詞が2つ以上の場合
動詞が2つ以上とは、以下のような場合です。この場合は、1つ目の動詞の後に副詞を置きます。
He has always been very kind to me.
彼はいつも私に優しかった。
※hasとbeenの2つで現在完了形として動詞の働きをしている。
I can scarcely believe it.
ほとんど信じられない。
※canとbelieveで動詞の働き。
I don’t usually walk in the park.
私は普段その公園を歩かない。
※don’tとwalkで動詞の働き。
The concert will never be cancelled.
そのコンサートは決して中止にはならない。
※willとbeとcancelledの3語で動詞の働き。
「程度」等を表す副詞
「程度」などを表す副詞には以下のようなものがあります。
almost(ほとんど)
probably(おそらく)
definitely(絶対に)
only(〜しか)
even(〜さえも)
also(〜も)
①動詞が一般動詞1つの場合
動詞が一般動詞1つの場合は、動詞の前に副詞を置きます。「頻度」を表す副詞と同じですね。
I nearly arrived at your house.
私はあなたの家にほぼ着きました。
I totally agree with you.
あなたに全く同感です。
I definitely want to try it again.
私は絶対にもう一度トライしたい。
※to tryは不定詞の名詞的用法なので動詞とはみなさない。
②動詞がbe動詞1つの場合
これも頻度を表す副詞と同様、動詞がbe動詞1つの場合はbe動詞の後に副詞を置きます。
I’m almost there.
私はもうすぐ着きます。
He is probably sick.
彼はおそらく病気だ。
③動詞が2つ以上の場合
動詞が2つ以上の場合は、1つ目の動詞の後に副詞を置きます。
The meeting will probably be postponed.
そのミーティングはおそらく延期されるだろう。
※will be postponedが動詞。
This temple was only built two years ago.
この寺は2年前に建てられたばかりだ。
※was builtが動詞。
「時」を表す副詞
「時」を表す副詞はたいてい文末に置きます。
I called my mother yesterday.
I will call him later.
I went there last summer.
「時の関係」を表す副詞
「時の関係」を表す副詞とは、以下のようなものです。
still(まだ)
yet(まだ)※主に否定文・疑問文で
already(既に)
「still」の置く場所は文中
「still(まだ)」は、「頻度」を表す副詞と同じルールが適応されます。
He still wants to go abroad to study English.
※一般動詞1つ
My mother is still in bed.
※be動詞1つ
My son is still playing the video game.
※動詞が2つ以上
「yet」の置く場所は文末
「yet」の置く場所は、通常文末です。
He doesn’t know yet.
He hasn’t found his key yet.
「already」の置く場所は文中もしくは文末
「already」は、「頻度」を表す副詞と同じルールです。
He already talked to her about it.
I am already hungry.
She has already left.
ただし、「She has left already.」のように例外の使い方もあります。
「場所」を表す副詞
「場所」を表す副詞は、以下のパターンに分かれます。
動詞が「自動詞」の場合
動詞が「自動詞」の場合は、通常その直後に副詞を置きます。
I live here.
She is working in the office.
動詞が「他動詞」の場合
動詞が「他動詞」の場合は、通常目的語の直後に副詞を置きます。
Please put your baggage there.
I had dinner at the restaurant.
「態度や状態」を表す副詞
「態度や状態」を表す副詞のルールはかなり曖昧です。ある意味どこにでも置ける反面、置く場所によって文章のニュアンスが変わる場合があります。ルールというよりニュアンスで覚えた方が賢明です。
He checked the documents carefully.
I accidently missed a class.
She swims fast.
My house was entirely destroyed.
You should seriously think about your future.
まとめ
かなり文法の「お勉強」的な感じの強い記事になってしまい、少し難易度が高かったかもしれませんが皆さん付いてこられましたでしょうか?
実は副詞のルールに関してはまだ細かいルールや例外があるのですが、今回はこの辺にしておきましょう。
全てを理解しようとするとなかなか大変ですが、ニュアンスが変わってしまう可能性がある部分だけでも覚えておくと実際の会話で役に立つはずなので頑張ってくださいね。