これから英語勉強を始める大人の方へ!学習時の注意点と、身につけるべき4つのスキルを解説
大人になってから英語を勉強したいと考えたときに、真っ先に考えるのが「本当に身につけられるのだろうか」でしょう。
結論から言えば、英語は大人になってからでも身につけることができます。そしてそのとき大事なのが、何を身につけたらいいのか、というスキルの理解です。
この記事では、大人が英語を勉強するときに忘れてはいけないことと、英語を身につける上で不可欠な4つの技能をまとめてご紹介しています。特に何から手をつけたらいいのかわからない、学生時代本当に英語が苦手だった、という人に役立つ内容となっていますので、該当する人は最後までお読みいただければと思います。
目次
大人が英語勉強するときに忘れてはいけないこと
英語の勉強をしたいと思った人に、最初に意識していただきたいことがあります。それは、目についた英会話教室や教材に闇雲に手を出さないこと。ネットでたまたま見つけたオンライン英会話にとりあえず入会する、本屋にあった良さげな英会話本をとりあえず買ってくるなどを、できたらしないようにしましょう。
フットワークが軽いことは素晴らしいのですが、このような形で始めた場合、だいたいの人が継続できずに途中で挫折してしまいます。なぜなら、①教材や教室が自分に合っていない、②学習に費やす時間が作れないという事態が発生しやすいからです。
もちろん、英語を勉強するときは、実績豊富な先生の著作を受けたり、英語教育に精通した講師の指導を受けるのが一般的です。この記事で紹介する英語学習方法も、そのほとんどが英会話教室や英会話本を利用したものになります。ですので、学習の努力や時間を無駄にしないために、まずはこれらの対策法をおさえておきましょう。
目標と自分の今のレベルを見極める
まず「①教材や教室が自分に合っていない」ことを避けるための対策です。これには、目標(ゴール)を明確に決める、自分の今のレベル(スタート)を把握するという2種類の方法があります。
目標(ゴール)を明確に決める
そもそも教材や教室が自分に合っていないのには、自分の目標とずれていることがあげられます。たとえば海外旅行で困らない程度の英語を身につけたいだけなのに、ハイレベルなTOEICの対策本で勉強するといった具合です。かっちりとしたビジネス英語を学びたいのに、日常英会話中心の英会話教室に入会するなどもあげられるでしょう。
こうした事態を避けるためには、自分の目標を明確にする必要があります。よくよく考えてみれば、英語を話したいというのは漠然としたものですよね。何をもって話せるようになっているのか、その答えは人によってそれぞれ違うはずです。
目標を明確にするときは、具体的なシチュエーションを思い浮かべるのがコツです。ネイティブと日常英会話ができるようになりたいでもいいのですが、同級生と野球の話がしたい、社会についての議論がしたいと深堀りすると、どんな教材を使えばいいか、どんな教室に通えばいいのかが見えやすくなります。もちろん、それ以外にもTOEICで〇〇点を取る、英検○級に合格する、英語に関する資格を取得するなどでもいいでしょう。いずれにしても、曖昧にしないことが条件です。
自分の今のレベル(スタート)を把握する方法
教材や教室が自分に合っていない理由には、もう1つ、自分の今のレベルに適していないことがあげられます。英語が苦手なのに、いきなりフリートークが必要なオンライン英会話に参加してしまう。本当はTOEICでハイスコアを取れる実力があるのに、自分の実力が信じられずに基礎中の基礎の教材を購入してしまうなどは、ありがちな失敗例でしょう。
そのような選択をしないためには、自分の今のレベルを把握することが何よりも大切です。基本的に、英語が苦手と感じている大人の人は、中学生レベルと思っていたほうが後々困りません。
ただ苦手だと思うけど少しはわかる部分もある、あるいは自分のレベルをより詳しく知りたいという人は、無料の実力診断テストを利用するのがおすすめです。NHK出版の英語力測定テストやweblio語彙力診断テスト、アルクの英語レベル診断テストなどがあります。
話せるようになるまでの時間は人それぞれ
英語を勉強したいとなったときに、「どのくらいの時間、勉強したら話せるようになるのか?」という疑問がよくあがります。しかし、それは一概には言えません。
なぜなら、上記で見てきてわかるように、目指す目標や自分の今のレベルによって変わるからです。半年で目標に到達した人もいれば、1年後に満足のいく結果が得られた人もいます。3年かけて身につけた人もいます。
だからこそなのですが、英語の勉強をするときは、焦る気持ちをぐっとこらえるようにしてください。もし自分が立てた目標にすでに到達した人を見つけたとしても、比べないようにしましょう。自分は自分、人は人、という気持ちを持てば、勉強がつらいものにはならないはずです。
学習時間を確保する
「②学習に費やす時間が作れない」ときには、どのように対策したらいいのでしょうか。まずは自分が、1日の中で、勉強に打ち込めそうな時間がどのくらいあるのかを確認してみましょう。
仕事をしているのであれば、当然ながら勤務時間にはできません。それなら休憩時間はどうか、行き帰りの電車内ではどうかと考えてみます。家事や育児の時間が中心となっているなら、その合間に勉強できる時間はないか探してみてください。
もしそこで、30分とないのであれば、いわゆる一般的な英会話教室は難しいというのがわかります。逆に毎日ではないけれど、1週間に1度だけ確実に2時間程度確保できるのであれば、英会話教室を視野に入れてもいいということになるでしょう。
ただこうして考えていくと、人によっては「スキマ時間は多少あるにはあるけれど、長時間勉強に費やすのは無理……それでも英語って身につくの??」と不安を覚えるときがあると思います。1日10分くらいしか確保できないのであれば、たしかに心配ですよね。
英語の勉強で大切なのは、1日の勉強の長さではなく、定期的に英語に触れることです。私たちが日本語を話せるようになっているのも、毎日毎日日本語に触れているからでしょう。それは英語も同じで、ほんのわずかな時間だったとしても、発音したり、必要なフレーズを学ぶのを継続すれば、着実に英語のレベルは上がっていきます。ですのでどうか諦めずに、ほんのわずかでも、毎日学習できる時間を確保するようにしてください。
英語ができるようになるために必要なのは4つの技能!
では、大人が英語の勉強し直すときの、具体的な方法をご紹介しましょう。前提として、英語勉強ではインプットとアウトプットを並行するのが重要となります。レシピを覚えただけでは料理ができないのと同じように、英語も教科書を読んだり、英会話講師の言うことをただ聞くだけでは話せるようにはならないからです。
それを踏まえた上で、次の4つの技能を身につける意識を持つようにしましょう。
①リスニング
②スピーキング
③リーディング
④ライティング
英語を身につけたいのであれば、どれも不可欠なものです。以下、順に詳しく解説します。
①リスニング
リスニングは、相手が何を言っているのか、きちんと聞き取り、理解できる力です。
リスニングを鍛えるには、まず英語に定期的に触れるのがポイントになります。日本語が聞き取れるのは、私たちが日常的に日本語に触れているからでしょう。英語もまた、同じです。
おすすめは、日々生活している中で、英語を聞く機会を増やすというもの。たとえば毎朝英語のラジオを聞いてみる、通勤中や家事をしているときに、テキストに付属しているCDを聞いてみる、YouTubeを見てみるなどがあげられます。
とはいえ、聞き流しはNGです。作業用として聞いていた歌は、あとから思い出せないものですよね。きちんと意味を理解しながら、ひとつひとつ頭の中に入れ込むような意識を持たないと、単なるBGMとして終わってしまいます。
また、加えてリスニングを身につけるときは、発音も意識する必要があります。「聞く」と「話す」は連動していて、特に「聞く」は「話す」があって初めてできるものです。
その理由については、下記で詳しく解説しています。リスニングを鍛えるためのおすすめのテキストやコンテンツをご紹介しているので、よければご覧ください。
②スピーキング
スピーキングは、相手に自分の言葉を伝える力です。上述したように、リスニングを鍛える上でも重要なスキルとなります。
英語のスピーキングでは、とりわけ発音の仕組みの理解がポイントです。たとえば英語は、ひとつひとつの単語をきちんと発音する日本語と異なり、単語の音をつなげたり(リンキング)、単語の音を省略させたり(リダクション)するのも、英語の特徴としてあります。たとえば「Thank you」は「サンキュー」、「Nice to meet you」の最後は「ミーチュー」と発音しますよね。このようなルールを理解することが、スピーキングを磨く上での第一歩です。
なお、リンキングやリダクションについては、下記で詳しくまとめています。
③リーディング
リーディングは、書かれた単語や英文を読みこなす力です。
この力を身につけるためには、まず語彙力を身につける必要があります。読める単語をひとつひとつ増やしていけば、つらつらと書かれた英文も、少しずつ読み解けるようになるでしょう。
また、単語学習は特に英語学習において重要で、最初にある程度単語を知っておくと、リスニング、スピーキング、ライティングというほかの3つの技能を身につけるのがスムーズになります。
その重要性については、下記で詳しくご紹介しているので、よければお読みください。具体的な単語学習の方法や、学習する上でのおすすめのサービス・テキストもご紹介しています。
④ライティング
ライティングは、英語を書けるようになるための力です。リスニングとスピーキングの関係と同様、リーディングとライティングも切っても切れない関係にあると言っていいでしょう。
ライティングを身につける方法はさまざまですが、ひとつに、英文を書く前に、英文にしやすい日本語の文章を作る練習をするというものがあります。たとえば、「彼はぽつんと立っていました。」という日本語の文章があったとしたら、「彼は一人で立っていました。」と英文にしやすい文章に直して、それから「He stood alone.」にする、などです。
日本語の文章をそのまま英文にするのは意外と難しく、さまざまな単語や文法を勉強しても、なかなかうまくいかない側面があります。ライティングにはライティングならではのコツを身につける必要があるのです。その方法を、下記で明らかにしているので、こちらの記事が読み終わったらぜひ参考にしていただければと思います。
まとめ
英語を身につけるには、リスニング・スピーキング・リーディング・ライティングの4つの技能を磨くことが必要です。
それらを身につける方法を、あらためてまとめました。
必要な技能 | 勉強のポイント | 参考となる記事 |
リスニング | ・英語に定期的に触れる ・発音と並行して学習する |
英語のリスニングが苦手?簡単に克服したいなら「発音」を学ぼう! |
スピーキング | ・リスニングと一緒に学習する。 ・リンキングやリダクションを理解する |
英語のリンキングに隠れた本当の意味│難しく考えすぎていませんか? スペルの音が消える!?英語のリダクションはなぜ必要なのか? |
リーディング | ・単語力を身につける ・ライティングと並行して学習する |
英語の単語学習の重要性とは?【最初に学習する利点や勉強法を解説】 |
ライティング | ・リーディングと一緒に勉強する ・英文にしやすい日本語の文章を素早く作れるようにする |
英作文の力は「英文にしやすい日本語の文章」をどれだけ素早く作れるかで決まる |
本文でもご紹介したように、4つの技能はどれも不可欠なものです。また、いずれもまんべんなく勉強し、バランス良く鍛えるのが大切です。
英語が話せるようになり、今まで夢だと思っていたことが実現する。そんな大人の方がたくさん現れることを願っています。