英語のリスニングが苦手？簡単に克服したいなら「発音」を学ぼう！
学校のテストやTOEICだけでなく、日常的な英会話において誰もが一度は挫折する英語のリスニング。特に「日本人は英語を聞き取ること（リスニング）ができない」というのはよく聞く話です。
実際、成人してから勉強してきたリスニングが通用せず、「私は英会話ができない……」なんて思ってしまう人も多いのではないでしょうか？
しかし、多くの場合は勉強方法が非効率的であるのが原因です。“正しいやりかた”で学習すれば、しっかりとリスニングはマスターできます。この記事で詳しく紹介するので、もう海外の人とのコミュニケーションで困りたくない！という方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
「なぜ？」できないのかを理解する
海外では「英会話を理解できても、英語は読めない・書けない人」は意外にも多くいます。これは、英語が生きるために必須のコミュニケーションツールであり、仕事の中で“音”として覚えているからです。私自身、海外旅行先で現地の人に道をたずねたりすると、喋りではなんとなくでも通じるのに、地図や行き方の書かれた文章などを見せてもまったく通じないといったケースに遭遇します。
一方、日本人はどうでしょうか。基本的には「英会話を理解できないが、英語の読み・書きは多少できる人」が大多数ですよね。少なくとも、この記事を読んでいるということは、頭では理解できているのに、会話になった途端に出来なくなってしまう人が多いはず。
それは、なぜなのでしょうか？。
理由は簡単。日本人の多くは英語を“発音”よりも“単語”の正確さを重要視して学んでいるからです。そもそも、知識として正しい“音”を習っていないために起こります。
「Excuse me.Could you take a picture of me?」
（訳：ちょっとすみません。写真を撮ってもらえませんか？）
こんな英文がテストに出てきたら、大人なら「中学生でもわかる！」と言ってしまいますよね。
しかし、これが旅行中の外国人から、あなたに突然飛んできた質問だったらどうでしょうか？
「エクスキューズミー。クジューテイクァピクチャーオブミー?」
一瞬の会話の約2秒という短い時間で、この音が飛んできます。リスニングに慣れていない人間には、これを頭で「クジュ……。あぁ、Could youか。で、takeだから……」なんて頭の中で文章を作り、翻訳を始めたが最後。意味を理解するのが精一杯で会話どころではなくなります。
そうしてフリーズしているあなたを見かねて、お相手の外国人さんは「伝わってないのか？」と、もっとわかりやすい英語で質問をしてくれるかもしれません。……しかし、頭の中で必死に英文を訳しているあなたは、新たな質問の追加で、さらにパニックに。
そして、
「あー……。Sorry.I do not speak English！」
そんな決まり文句を口に出して、足早にその場を立ち去ってしまうのではないでしょうか。
これはすこしオーバーな例えに思われるかもしれませんが、日本人がリスニングをできない理由がここにあります。日本人は、“ある程度英語ができるからこそ”正しく理解しようとして、考え込んでしまいがちなのです。
さらに、音を知らないため「Could you……」のひとことでも、会話中に単語の音が消滅するリダクションと呼ばれる現象が発生しているため、実際の音と単語を結びつけるのにとても時間がかかってしまい、会話についていけない。これが私たちがリスニングをできない理由なのです。
「発音」を覚えれば自動的にリスニングは上達する!?
ポジティブに考えてみましょう。
実は、大多数の日本人はリスニングが上手くなる能力を備えています。少なくとも、あなたが中学校を卒業できている人なら、その能力は間違いなく持っているでしょう。
リスニングは、文法などを覚える以前に、本来はできるようになるスキルだからです。
5歳児は書けないけど聞ける
5歳くらいの子どもを思い出してみてください。ペラペラと日本語で話していますが、すらすらと文章を書くことができる子なんて中々居ませんよね？それは、彼（彼女）たちは親や友達から音を覚えて言語化しているからです。
そして、それは英語も同じ。私たちは、テストや受験を効率よくクリアするために、音という基本をスキップして英語を学習してしまっただけなのです。
では、そんな音を学ぶにはどうすればいいのか？
結論から言えば、発音を覚えるのが最も効果的です。
「発音」の上達がリスニング力アップに効果的なワケ
聞き取り（リスニング）なのに発音を鍛えることを不思議に思うかもしれません。しかし、自分で発音のできない言葉は何回聞いても聞き取れませんが、発音できる音は不思議と聞き取れて意味も理解できるものなのです。
これはほかの言語にも当てはまります。たとえば、あなたはタイ語を聞き取れるでしょうか？多くの人がNOと答えるはずです。
しかし、タイ語で「ありがとう」のことは「コップンカーップ」であることを知って、発音を覚えていたらどうでしょうか。ほかの音は摩訶不思議な呪文のように聞こえるにもかかわらず、「コップンカーップ」の部分だけは鮮明に聞き取ることができるはずです。
加えて、英語にはふたつの英単語を繋げてひとつの単語のように発音するリンキングや、前述したリダクションといった音の特徴が存在します。これらも、さまざまな言葉を口に出せるようになると、自然とその理由もわかるようになります。ちなみに、下記では、なぜリンキングやリダクションといった現象が起こるのか詳しく解説しているので、よければご覧ください。
リスニングは、こういった認識できる言葉を増やすことが上達の近道です。まずは自分が発音できる単語と文法を増やしていきましょう。
自分のレベルに合った勉強でリスニング力を鍛えよう！
それでは、具体的にどんな勉強方法をすると効果的なのかを紹介していきます。さまざまな方法がありますが、大事なのは自分のレベルにあった勉強方法から始めること。RPGの真似事のように自分のレベルを超える敵を無理矢理倒してレベルアップ！……とはいきませんし、むしろ、英語学習においては非効率的です。
わかることからトレーニングを始めたほうが上達は早く、何より「理解できる！」楽しさがモチベーションにつながります。
①基本の単語や文法と合わせて音を覚えよう
基礎を学ぶ教材に関しては、スマートフォンのアプリを使って学習するのが今の時代のスタンダード。通勤や通学の時間を使って、場所を選ばずに勉強できるのがとにかく便利です。
なお、英語学習アプリは数多く存在しますが、リスニングを学ぶなら、実際の発音や使い方などを音で一緒に学べるアプリを選びましょう。もし選ぶ時間がない、という方は『Memrise』がオススメです。
・『Memrise』
簡単な単語から始まり、スペルと音をクイズ形式で学べる学習アプリです。1日5分ほどで学べるように設計されており、忙しい人でも隙間時間にスキルアップが可能。なお、英語だけでなく中国語、フランス語、ロシア語などさまざまな言語が収録されています。
公式HPを見る App Storeで見る Google Playで見る英語教材の勉強でももちろんOK
もし、「机に向かい、ペンを握る」、そんな学生さながらの勉強方法が好きな方は、学生＆初心者向けの英語教材を活用しましょう。“リスニング力を鍛える”ことが目的なので、あえて簡単で、かつCD付きの物を選ぶのがポイントです。こちらもオススメのものをご紹介しておきます。
・『カラー版 CD付 中学3年間の英語で身につける日常会話』
中学生3年間で学ぶ英語を使った日常会話を収録。基礎を学ぶというよりは実践向きの書籍で、収録されている英会話を学んでおくと外国の友人と喋るときや、海外旅行、海外の映画やドラマを見るのがより楽しくなります。
amazonで見るなお、文法といった基礎の英語も学びたいなら、同シリーズで出版されている『中学3年間の英語を10時間で復習する本』や『中学英語の前置詞を10時間で復習する本』も読んでみましょう。
・『CD付 ネイティブなら子どものときに身につける 英会話なるほどフレーズ100』
“ネイティブが子どものころから使っている「超・定番」100フレーズ”という触れ込みで、日常的に使うフレーズを収録。先に紹介した「中学3年間の英語で身につける日常会話」よりも少し難しい内容になっており、高校生レベルの基礎英文法などを身につけているなら、こちらがオススメです。
amazonで見る②理解できる単語を増やそう
教材で出てくる音に慣れてきたら、新しい単語を覚えていきます。ここからは参考書などに頼るよりも、自分の日常に溶け込んでいるアイテムや出来事を、とにかく英語化して、発音してみましょう。
そもそも、私たちの日常には多くの英語が溶け込んでいるもの。電車のアナウンスでは海外旅行者向けにアナウンスが流れますし、レストランでメニューを開けばそこにはたくさんの英語が溢れています。そういったところで出会う英単語を「これはどう発音するのかな？」とクイズにしてみると、楽しくスキルアップできます。
ちなみに、そんな日常にあふれる英語たちの発音を調べるのに大活躍なのは、みなさんお馴染みの『Google翻訳』。これは私自身も発音を覚えるうえで、非常に重宝したツールです。
使い方は簡単で、日常でよく使うアイテムを片っ端から訳してもらうだけ。これをくり返すうちに、自分のよく使うものから発音を覚えられます。
Google翻訳を使ってみる（公式サイトに飛びます）動画配信サービスを活用する
また、日本語字幕で映画やドラマを見るのも、リスニングを学ぶときには効果があります。その際、大事なのは、とにもかくにもたくさん見ること。そして、各作品の登場人物達が共通して喋っている言葉を意識的に探しながら視聴することです。
作品を超え、共通して喋っているということは、英会話においてよく使われるフレーズです。その音を聞き取れるようになれば、実際の英会話でも反射的に意味を理解できるようになれます。
なお、視聴するときは月額制の動画配信サービスを活用すれば、視聴する海外作品に困ることがなくなるのでオススメです。以下に、3つのサービスをご紹介しておきます。
・『U-NEXT』
新作映画を含む17万本以上の作品が見放題。動画以外にも雑誌、コミック、書籍などのコンテンツも楽しめる日本最大級の配信サイトです。月額料金は1,990円。まずは31日間の無料トライアルでお試しあれ。
・『Netflix』
洋画や海外ドラマが多い動画配信サイトといえばコレ。オリジナルのコンテンツも多く、面白そうだな……と思ったら『Netflix』限定の作品であるなんてことは珍しくはありません。月々の支払いが800円から1,800円の間で選ぶことができ、自分の用途にあったプランを選べるのも〇。
公式HPを見る・『Amazonプライム・ビデオ』
月額500円。年払いなら4,900円。Amazonプライム会員なら無料で見られる破格の動画配信サービスです。配信されている映画・ドラマも多く、頻繁にラインナップも更新されるので、安く、たくさん作品を見たい人にオススメ。
公式HPを見る③短文を聴き取れるようになろう
ここまでの方法でリスニングに慣れてきたら、もう日常的な英会話は聞き取れるようになっているはず。あとは気持ちの問題！より自分の目的にあった勉強方法にトライしてみましょう。
フリーのリスニングテストを受けてみる
TOEICなどの試験に挑む人は、ネットでできるフリーのリスニングテストを活用するのが最善です。こういったテストは、日常的な英会話というよりも、より難易度の高いスキルを要求されるので、集中的に勉強するのがベスト。また、リスニングに慣れてきた人ならば、腕試しにもいいでしょう。
・『教育出版 フリー・リスニングテスト』
教科書や副読本の出版を行っている教育出版のリスニングテスト。実際に使われている問題なので、学校で習った勉強の学び直しにも活用できます。
挑戦してみる（公式サイトに飛びます）・『アルク リスニング力診断テスト』
英語の学習情報誌『ENGLISH JOURNAL』を出版するアルクでは、英単語力診断テストやリスニング力診断テストに挑戦できます。診断結果よって、オススメの学習法や教材も教えてくれるので、腕試しにはもってこいなテストです。
挑戦してみる（公式サイトに飛びます）・『TOEIC 公式サンプル問題』
TOEICの公式サイトではサンプル問題に無料で挑戦できます。受験を検討されている方は必ず目を通しておきましょう。
挑戦してみる（公式サイトに飛びます）YouTubeで学ぶ
また、YouTubeで配信されている英語ニュースをチェックするのもオススメです。会話の展開も早く、最初は理解するのが難しいかもしれませんが、わかる単語から聞き馴らせば、徐々に内容がわかってくるでしょう。
・『BBC Learning English』
イギリスの公的放送局・BBCが、英語教育に特化した内容を発信するYouTubeチャンネル。名前の通り学習特化の動画が多く、発音もわかりやすいので「本格的なニュースはまだ……」といった人はコレで勉強しましょう。
Youtubeで見る・『CNN News』
アメリカの総合メディア企業・ワーナーメディアがかかえるニュース専門チャンネルです。世界で初めて24時間放送するニュース専門のチャンネルとして設立。日本でも有名なチャンネルであり、国際放送が見られる国と地域は200を超えます。もし、CNNの内容を完全に理解できるようになったなら、アメリカ英語のリスニングにおいて困ることはないでしょう。
Youtubeで見る・『TED』
ハイレベルな英語学習を日常的におこなっている人にとっては定番のチャンネル。世界的な著名人によるプレゼンテーションと合わせて英語を聞くことができ、リスニング力を鍛えながらあらゆるジャンルの知識を蓄えることができます。一方で、いろいろなサイトで紹介されてはいるものの、リスニングとしては非常にハイレベルな内容なので、ある程度学習を進めてから取り組むことをオススメします。
Youtubeで見る④外国人と実際に会話してみよう
そして、一番の腕試し……というよりも、終着点となるのは外国人と実際に話してみること。これは正直、どんな勉強方法を活用するよりも、リスニング力が鍛えられる勉強方法です。
友人との会話や、仕事先で出会った人、旅行者など日本国内にも多くの外国人はいらっしゃいます。道に迷って困っている外国人の方を見つけたら、積極的に声をかけてあげると、あなたのリスニングスキルアップに繋がり、お相手も助けられて、まさしく一石二鳥です（ただし、お相手の迷惑にならない範囲を心掛けましょうね）。
また、今はオンラインで受講できるオンライン英会話レッスンも爆発的に増えています。自分の都合にあった時間を指定して、自宅にいながらレッスンできる便利なサービスを活用しない手はありません。当サイトでは、下記をはじめ、さまざまなオンライン英会話の特徴やメリットについて解説していますので、よければ検討材料にしてみてください。
こういったサービスを活用しつつ、気軽に海外旅行へと行けるようになったら、自信をもって英語圏の国に飛び込みましょう！
まとめ・リスニングにゴールはありません
英語のリスニングは出身地方特有のなまりや、人の癖、会話のスピードなどによって、難易度はぐんと上がります。ひとつの会話が成立するようになっても、新たに聞き取れない会話が出てくることは必然です。それをまた調べて、理解して、会話に取り入れる。これをくり返すことで、自分の力となります。
「どんな英語も聞き逃してはダメだ！」と学校でする勉強のように必死に勉強して、間違ったら落ち込む……。そんな勉強方法をしていると、精神がいくらあってもたりません。まずはドラマを見ながら「この会話、わかる！」くらいで喜ぶのが丁度いいのです。楽しみながら、「聴き取れなければ聞き返せばいいや」くらいカジュアルな態度で臨んだ方が、本番のリスニングは上手くいきますよ！
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