間違いやすい英語とは?日本人が文法や単語で誤解されがちなポイントを知っておこう
英語学習が進んである程度ネイティブと会話できるようになった日本人でも、実は間違った英語の使い方をしていることがあります。
ましてやまだそこまで英語が上達していない学習者なら、ネイティブと話す機会も少ないでしょうから使い方を間違ったり混同している英語はけっこうありそうです。
今回は「日本人が間違いやすい英語の使い方や単語・文法」についてまとめてみたいと思います。ちなみにネイティブの人たちでも間違える単語の使い方もあるそうですから、英語はまだまだ奥深いですね。
目次
日本人が間違いやすい英語とは
英語だけでなく日本語にも紛らわしい単語や文法はあります。「橋」と「端」と「箸」の違いは漢字だけでなくイントネーションで区別しますが、「うろ覚え」と「うる覚え」など明らかに間違った覚え方をしている人もいます。(ちなみに正しいのは「うろ覚え」)
英語に話を戻すと、日本語での直訳に引っ張られて本来の意味を勘違いしたまま覚えている例が多くみられます。また意味が全く通じないわけではないものの、ネイティブからしてみたら「意味は分からなくもないけど、なんだか違和感のある変な言い回しだな…」と思われてしまう使い方をしている場合も。
間違った英語には、単語の間違いと文法の間違い・発音の間違い・和製英語などがありますが、まずは知っておいて損はない、よくありがちな間違いから見ていきましょう。
よくありがちな間違った英語の使い方
間違った英語の使い方の中でも、実際に日常で使ってしまいそうなものをピックアップしてみましょう。「間違いやすい英語」というもののニュアンスが伝わるかと思います。
「風邪で病院に行く」という言い方
これは日本語を英語に直訳すると起こりうる間違いです。「風邪で病院に行く」という日本語には何もおかしいところはありませんが、これを英語に直訳して
I went to a hospital this morning.
と言ってしまうと驚かれます。なぜなら英語でのhospitalは、重大な病気やケガをしたときに行く大きい病院のことだからです。要は、すごく大げさな意味に取られてしまいます。
英語でニュアンスを正確に伝えたければ、「(風邪を)医者に診てもらう」くらいの言い方が正解です。英語で言うと下記のようになります。
I went to see a doctor.
文法や単語は全く間違っていないものの、ネイティブからするとおかしな表現になっているいい例のひとつですね。
YESとNOの答え方の違い
これもよく知られている話ですが、英語で次のように聞かれた場合どう答えるでしょうか。
Do you mind if I sit here?
「ここに座ってもいいですか?」という質問ですが、直訳すると「あなたは私がここに座ることを気にしますか?」となります。
この場合、ニュアンスとしては意訳である前者の方が正しいのですが、この日本語に引っ張られてしまう人が非常に多いです。日本語で「ここに座ってもいいですか?」と聞かれたら、「はい、いいですよ」とか「もちろんです」と答えますよね。しかし、ここは直訳である「あなたは私がここに座ることを気にしますか?」の方で答えないと真逆の意味になってしまうのです。
日本語のノリで「Yes.」と答えてしまうと、もともとの質問が「あなたは私がここに座ることを気にしますか?」なのですから、「はい、気にします(=座ってはダメです)」という意味になってしまいます。これでは人間関係が壊れてしまいかねません。
ここでの正解は「No, I don’t.」もしくは「No, I don’t mind.」。日本語の感覚と逆なので非常に間違いやすいです。注意しましょう。ちなみに本当にダメだと断るときは、Yesだけでなく「~だから」と理由を伝えた方がよいです。
否定疑問文に対しての答え方
否定疑問文とは、「You don’t 〜, right?(〜でないですよね?)」とか「Don’t you 〜?(〜でないですか?)」という疑問文のことです。これも上と同じく、YESとNOの答え方が日本語と英語で逆になります。
ポイントは英語の場合は、どんな形で聞かれようとも、そうでないものに対しては「No」と言うということです。
You don’t like cats right?
あなたは猫が好きではないですよね?
この問いに対する答えとして「はい、猫が好きではありません。」と答えたいなら
No, I don’t like cats.
と答えなければなりません。ややこしいですね。他にも、
You didn’t attend the class yesterday, right?
あなたは昨日授業に出席しませんでしたよね?
いいえ、出席しました。→ Yes, I did.
はい、出席しませんでした。→ No, I didn’t.
Don’t you like baseball?
あなたは野球が好きじゃないですか?
いいえ、好きですよ。→ Yes, I do.
はい、好きではありません。→ No, I don’t.
のようになります。これはもうそういうものだと割り切って覚えてしまいましょう。
meetとseeの違い
「meet」と「see」の使い分けも、日本人がよく間違えるポイントです。どちらも日本語訳では「会う」なので、それに引っ張られてしまうのでしょう。ここはひとつ、英語の概念としての両者の意味を覚えておきましょう。
meet → 初めて誰かに会うこと
see → 知っている人、初対面ではない既知の人に会うこと
上を踏まえると、seeは初対面の人には使わないこと、meetには「出会う」というニュアンスが含まれていることが分かるかと思います。
なので、初めて会う人に対しては「Nice to meet you.」と言うんですね。当然、会ったことがある人へは「Nice to see you (again.)」や「good to see you.」という挨拶になります。
※ちなみに「Nice to meet you.」への返答は「You too.(こちらこそ)」。これは「Nice to meet you too.」の最後の2文字を略したもの。「Me too.」は誤りなので注意しましょう。
I’m going back to Japan to see my family.
I saw my sister yesterday.
上記のように家族は顔見知りなため、「see」を使うのが適切となります。
「借りる」「貸す」の英語表現
「借りる」「貸す」の英語表現も間違いやすいポイントです。
「借りる」の正しい表現は
「借りる」という英語は「borrow」と「rent」ですが、この違いは
borrow → 無料で借りる
rent → 有料で借りる
というふうになります。なので、
図書館で本を借りる場合
→ I borrowed a book from the library.
TSUTAYAでDVDを借りる場合
→ I rented a DVD from TSUTAYA.
となりますね。
またborrowには「物を返す前提でいったん借りる」というようなニュアンスがあります。そのため、「トイレ貸して」というときにborrowを使うと「トイレを取り外して借り、また持ってきて返す」といったような妙なニュアンスになってしまいます。
なのでトイレを借りたいときはborrowではなく
Can I use the bathroom?
トイレを使ってもいい?
と言うのが正解。
「貸す」の英語表現は
「貸す」の英語表現はlendとなります。「借りる」のborrowやrentと混同しやすいので注意しましょう。
He lent his book to his friend.
彼は友だちに本を貸しました。
Shall I lend you an eraser?
消しゴムを貸しましょうか?
hopeとwishの違い
hopeとwishは「望む」「願う」といった願望を表す単語ですが、これらもまたニュアンスに違いがあります。また続く名詞節の時制についても覚えておきましょう。
hope → 実現する可能性がある望み
※hopeの後に続く名詞節は、未来のことであっても現在形が使われることが多い
wish → 実現する可能性がほぼない願い
※wishの後に続く名詞節は、現在のことは過去形で、過去のことは過去完了形
例文を挙げましょう。
I hope she likes the flowers.
「彼女、花を気に入ってくれたらいいな」というような意味です。ということはまだ花をあげていない状態のため未来形になりそうですが、「likes」と現在形になっていますね。
I wish I could see my grandma again.
「おばあちゃんにもう一度会えたらいいのにな」というような意味です。wishが使われているので、恐らくもう亡くなっているなどで会うのは不可能なのでしょう。会いたいのは現在ですが、続く名詞節では「could」と過去形が使われていますね。
I wish I had finished my homework yesterday.
「昨日宿題を終わらせておけばよかった。」というような意味です。過去のことなので「had finished」のように、過去完了形(had+過去分詞)が使われていますね。
「でもそう思っているのは現在じゃないの?」とか混乱する人もいらっしゃるかもしれませんね。確かにややこしいですが、「過去の事実とは反対の願望を表すのが『I wish + 過去完了』」と覚えてください。
疑問詞を使う間違いやすい表現
whatやwhereなどの疑問詞、いわゆる「5W1H」を使う文章にも間違いやすい罠が潜んでいます。
住所を聞く場合
相手の住所を聞く場合、英語で何と言いますか?「どこ」だから「Where」を使って「Where’s your address?」なんじゃないの?と思ってしまいがちですが、これは間違い。「どこに住んでいるの?」ならWhereでいいのですが、住所という具体的なものを聞く場合は
What’s your address?
が正解となります。同様に、「オーストラリアの首都はどこですか」と聞く場合も「Where is the capital of Australia?」ではなく
What is the capital of Australia?
が正解です。
「How」を使いがち問題
日本人は「How」という単語の意味を「どう」「どうやって」「どのように」と教えられるので、この日本語訳に引っ張られがちです。そのため「どう思う?」と英語で言おうとするとき「How do you think?」と言ってしまう人がいますが、これも間違いです。「あなたはどうやって考えるの?」という、ちょっとニュアンスがずれた英語になってしまいます。
正解は
What do you think?
です。この辺に関しては「正直、納得いかないんだけど…」と思ってしまう人もいるでしょう。ここはもうこういうものだと割り切って覚えるしかありません。
ほかにhowではなくwhatを使うのが正解な例は以下のようなものです。
What does it look like?
それはどんな見た目ですか?
What brings you here?
どうしてここに来たんですか?
まとめ
今回は、まだそこまで英語に慣れていない人が間違いやすいポイントを紹介しました。ただし実際に起こりやすい単語の間違いや文法ミス・表現や発音などは、まだまだたくさんあります。
基本的には覚えるしかありませんが、逆に言えば英会話者として1フェーズ、ランクアップできるチャンス。
英語の間違いに関しては、ネイティブの人も「まぁ日本人だからしょうがないか…」と見逃してくれている部分もあるらしいですが、正しい英語を使えば「おっ、こいつ日本人のくせにやるな…」と思われるかもしれませんね。