英語の発音記号の覚え方!最低限これだけ覚えておけばOKの11個をおさえておこう!

英語の発音記号の覚え方!最低限これだけ覚えておけばOKの11個をおさえておこう!

皆さんは英語の「発音記号」知っていますよね。義務教育を受けた人なら一度は必ず目にしたことがあるものだと思います。ですが、発音記号の意味や有用性をちゃんと把握している人となると、その数はかなり少なくなるのではないでしょうか?

実は発音記号は知っていれば初めて見る単語の正しい発音が分かる優れものなのです。

英語はただでさえスペルと実際の発音の乖離が大きい言語。「hat」と「hate」という単語を全くの初見で「ハット」「ヘイト」と読める人はネイティブでもまず存在しませんが、辞書を見て発音記号が書いてあればそれも正確に読むことができます。

※英語のスペルと発音については下記記事も参照してください。

今回は、そんな「誰でも知っているけど誰もがよく知らない」発音記号について解説していきたいと思います。英語学習において発音は非常に大事なので、ぜひ把握しておいてください。

※英語の発音の重要性については下記記事も参考にしてくださいね。

発音記号とは何か

発音記号とは何か

まずは発音記号とは何かという基礎から説明していきましょう。

発音記号とは言語の発音を体系的に表記するために作られた記号のことで「音標文字」「音声記号」「国際音声記号」とも呼ばれます。特に英語の発音記号に関しては、「正しい英語の発音を視覚的に体系化したもの」と考えるとよいでしょう。

視覚的に、というところがポイントです。英語の辞書などで発音記号を見たとき、「アルファベットに似た形だけど、変な形のものも混ざっているよく分からない文字」という印象を受けた人も多いかと思います。これが発音記号を「何か覚えるのが面倒くさそう」と思わせている要因になっているかもしれません。

しかし、実はほとんどの発音記号がアルファベットと同じ読み方をするって知っていましたか?

変な形でないアルファベットと同じ形の発音記号は、そのほとんどがアルファベットと同じ読みをすると言っても言い過ぎではありません。発音記号の「g」は実際の読み方も「g」で、カタカナ英語で「ジー」と言ってしまっても(完ぺきではないにせよ)実際の会話での使用に際してほとんど問題はありません。

では、アルファベットと違う変な形の発音記号はどのくらいあるかというと

母音 = ӕ ɑ ʌ ə ɔ

子音 = ʃ ʒ θ ð ŋ j

この11個だけです。極論すれば、この11個さえ覚えてしまえば発音記号は何とかなるのです。

英語の発音記号自体は全部で46個ほどありますが、その全てを覚える必要はないということです。そう考えると「ちょっと覚えてもいいかな」と思うのではないでしょうか?

発音記号の読み方~母音編

発音記号の読み方~母音編

英語、というか言語は基本的に母音子音によって成り立っています。ご存知のように日本語もそうです。それではまず英語の「覚えるべき母音の発音記号」について見ていきます。

それぞれの発音記号の具体歴な例単語を、実際に発音してみるとより理解しやすくなるのでやってみましょう。

英語が苦手な日本人でも、映画や音楽などで全く耳にしていないわけではありません。実際に発音してみると、「あ~、なるほどね…」となんとなく理解できますので、ぜひ試してみてください。

母音「ӕ」の発音

「ӕ」の発音ですが、よく「アとエの中間のような音」と表現されます。具体的には「cat【kӕt】」「 map【mӕp】」などです。

どちらかというと「エ」に近いと考えると理解しやすいです。ア~の発音をだんだんエ~に近づけていくとこのような音になります。または「ア」と「エ」を同時に発音するというイメージでもいいかもしれません。

もう少し具体的に言うと、日本語では「あ」は通常クチが縦に開く感じで発音すると思いますが、「ӕ」の場合はクチを横に開いて発音するのがポイントです。

母音「ɑ」の発音

「ɑ」という記号をよく見てみると、「a」ではありません。似ているようで違うのです。「hot【hɑt】」「 clock 【klɑk】」などがこれに当たります。スペルは「o」なのに記号はaっぽいですよね。つまり、oに近いaと考えると理解しやすいかと思います。

実践的には、日本語で「お」と発音するときには、「あ」よりクチが縦に開きますよね。これをクチを横に開いた状態で「お」と発音してみるとより実際の発音に近づきます。

母音「ʌ」の発音

「ʌ」は、我々がイメージするところの「ア」に近い発音です。「love(lʌv)」や「but(bʌt)」などがこれに当たります。なので、あまり気にしなくていい発音のひとつかもしれません。あえていうと、「ア~」から「オ~」に近づく感じでしょうか。日本語風にはっきり「あ」と言うよりも、クチを開かず喉の奥の方で短く発音する感じです。これも実際に発音してみましょう。何となく感じがつかめると思います。

母音「ɔ」の発音

「ɔ」のポイントは、記号の形自体がクチの開き方を表しているということです。つまり、「o」よりもクチをもっと開いて喉の奥から発音します。「law【lɔː】」や「talk【tɔːk】」などがこれに当たります。「オ」と「ア」の中間くらいのイメージです。

とはいうものの。これは正直ちょっとイメージが掴みづらいですよね。ですが、これも日本語の「お」とさほど変わらないと思っていただいて結構です。厳密には違いますが、そこを頑張って是正しようとするよりもまずは違うことを覚えるのに時間を使ったほうが懸命です。

ちなみに、派生系として「[ɔː]」というのもあります。これは最後に「ː」という記号が加わっていますね。これは語尾をもう少し伸ばす感じで発音しますが、今はあまり気にしなくてOKです。

母音「ə」の発音

eを逆さまにしたような形状が特徴の「ə」。「head(hed)」や「pen(pen)」、「dress(dres)」などがこれに当たります。「あいまい母音」と呼ばれており、発音として非常に弱いのが特徴です。「弱く言う」というのがポイント。

例えば日本語で普通に「え」と発音してみてください。若干ですが、舌に力が入っているのが分かりますか?これを、舌に力が入らない状態で発音するとこの発音記号に近づきます。

発音記号の読み方~子音編

発音記号の読み方~子音編

それでは次に「見慣れない変な形の発音記号」の子音編です。繰り返しになりますが、この「変な形の記号」以外はアルファベットをそのまま読んでもさほど大事にはなりません。変な形の記号さえ分かれば、あとは辞書を引いて発音記号を見れば大体の発音が分かるようになります。

子音「ʃ」の発音

「ʃ」は、日本語で「あっちへ行きなさい、シッ!」の「シッ」と覚えましょう。はっきりとした発音というよりは、唇や歯や舌の摩擦音で発音するのが母音と違う子音の特徴です。単語としては「dish」とか「shoe」とかですね。汚い話ですが、ちょっと歯の間から唾を飛ばすようなイメージだと分かりやすいかと思います。

日本語の「し」だと「し~い」と最後が「い」のニュアンスで終わる形ですが、この場合最後の「い」が無く「最初の摩擦音だけ」とイメージすると分かりやすいです。

子音「ʒ」の発音

これは日本語の「ジ」に近い発音になります。例単語として「pleasure【pléʒər】(プレジャー)」「garage【gərάːʒ】(ガレージ)」「gorgeous【gˈɔɚdʒəs】(ゴージャス)」などを挙げると分かりやすいのではないでしょうか。

具体的には唇を丸くする→前に突き出す→舌先を上顎に近付ける→声を出しながら「ジュ」と発音します。なんだか難しそうですが、とはいえ、これもさほど意識せず発音できる部類の発音と思っても差し支えないのではないでしょうか。

子音「θ」の発音

日本人が苦手とされる発音の代表格。いわゆる「th」の発音です。記号を見ても、上の歯と下の歯の間に舌があるイメージが分かるのではないでしょうか?

上の歯と下の歯で舌の先を軽く触れる感じではさみ、そのまま息をスーッと出し、舌をゆっくり引いて元の位置に戻すとこの発音になります。

例を出すまでもないですが、「think【θíŋk】」「both【bóuθ】」「anything【éniθɪŋ】」などがこれに当たります。

なぜ日本人がこれが苦手かというと、日本語にこの発音がないからです。もちろんthだけではありませんが、日本語にない発音というのは英語には多くあります(その逆もしかりですが)。自国語に存在しない言葉を発音できないのは当たり前。身につけるためには、何度もネイティブの発音を聞き返し、自分でも何度も発音にトライしてみるしかありません。

子音「ð」の発音

「ð」は、上記「θ」の派生系と考えたほうが分かりやすいでしょう。先に単語の例を挙げると、「mother【mˈʌðɚ】」「that【ðˈæt】」「this【ðɪs】」といった感じ。

比べると、「θ」の方は(あえてカタカナ英語で表すと)「think(スィンク)」「both(ボス)」「anything(エニスィング)」であるのに対し「ð」は「mother(マザー)」「that(ザット)」「this(ズィス)」とサ行が濁っているのが特徴です。

ちなみに発音の仕方はほぼ「θ」と同じ。上の歯の先で舌を軽く噛んで、その隙間から声を出します。

子音「ŋ」の発音

これは鼻歌の「ン~ン~ン~」の「ン」であると覚えてください。単語としては「morning【mɔ́ːrnɪŋ】」や「young【jʌ́ŋ】」、「song【sˈɔːŋ】」などになります。

実際には、「ン」というより「ング」ととらえたほうがより本物の発音に近くなるでしょう。ポイントとしては、口から声や息が漏れないようにすることです。

子音「j」の発音

「これってただのJ(ジェイ)じゃないの?」と思った方、とりあえずアルファベット読みのジェイは忘れてください。これは似て非なるもの。読み方としては「イャ・イ・イュ・イェ・イョ」になります。

「beautiful【bjúːṭɪf(ə)l】」、「cute【kjúːt】」、「new【n(j)úː】」などに含まれていますが、これに関しては感覚的にもう分かっている単語が多いかと思いますので、アルファベットとしてのジェイと発音記号としてのjの違いにあまり振り回されない方がいいかもしれません。スペル自体にjが含まれていないのに発音記号にj を使ってしまったことによって、混乱を招いてしまっていますね(日本人にとっては)。要は「あまり気にしなくていい」ということです。

まとめ

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回はかなり「お勉強チック」な内容となってしまいましたが、これを覚えておけば「辞書さえあれば発音が分かる」ようになります。

これも繰り返しになりますが、英語の単語というのはスペルと実際の発音の間にかなりの違いがあり、たとえネイティブの人であっても今までに見たことのない単語であればそれを正確に発音するのは容易なことではありません。

しかし、発音記号の読み方さえマスターしておけば、発音記号さえ示されていればその単語がどういう発音なのかが正確にわかるようになります。

ちなみに、ネイティブの人たちがみんな発音記号をちゃんと理解しているかというと、全くそんなことはありません。自然に覚えていったり、あるいはフォニックスを学ぶことによって読み方を会得していっていっただけなのです。

そのように自然に英語を会得できなかった私たち日本人をはじめとする人々にとっては、発音記号というのはまさに神ツール。いかんせん発音記号というものはあまり重要視されていない感がありますし、もちろん発音記号を学ぶのに時間をかけすぎても仕方がありませんが、いざ初めて見る単語に出会ったとき、それの正しい発音を知ることができるのは発音記号だけです。

発音記号は便利ツール。ひとつのツールでありこだわり過ぎる必要はありませんが、たった11個程度であれば覚えておいて全く損はしないものなので、この機会に自分の武器のひとつとして身につけてみてくださいね。

BRIT編集部
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