英語の正しい発音を練習した方がいい理由と気を付けた方がいい点について考えてみよう。

英語の正しい発音を練習した方がいい理由と気を付けた方がいい点について考えてみよう。

日本人は英語が苦手だとよく言われます。英語ができるようになりたいと思ってTOEICなどを勉強する人は多いですが、英語を話せると言える人はまだまだ少ないのが現状です。

英語が話せない理由としてはいろいろありますが、ある程度の文法や単語が分かっていて口に出すことができても、今度は「発音が通じない」という壁にぶち当たる人が非常に多いです。

英語は一般的に母音が24・子音が24あると言われています。一方、日本語の母音は5・子音は16と言われているので英語には日本語にはない発音が圧倒的に多いということが分かりますね。日本人が英語の発音が苦手な理由が何となく分かるのではないでしょうか。

加えて人間には「発音できない音は聞き取れない」という特徴もあります。これも日本人が英語のリスニングが苦手な理由のひとつとなっています。

そのようなことを踏まえて今回は、英語の発音をなぜ練習した方がいいのか?効果的な練習方法とは?という点についてお話していきたいと思います。

正しい発音を練習した方がいい理由とは

正しい発音を練習した方がいい理由とは

そもそもなぜ発音が重要なのかという点に関して最初にお伝えしておきますが、「たどたどしい発音でも通じればいい」と思っている人がいるとすれば大きな間違いです。なぜ正しい発音を練習しなければならないのかの理由をご説明します。

正しい発音でないと意味が変わってしまう

日本人が英語を学ぶ上でやっかいだと思う点のひとつに、正しい発音をしないと言葉の意味が変わってしまうということがあります。

例えば「lover」(恋人)「Rubber」(ゴム)という英語がありますが、これをカタカナ表記すると両方とも「ラバー」になってしまいます。「L」の音は日本人が苦手だという話はよく言われるので聞いたことがあると思いますが、まさにこの例もそうです。「L」の音を表す日本語は残念ながらありません。また「ラバー」「ラヴァー」かという「VとBの違い」まで含まれています。これがネイティブの人が「日本人の発音が聞き取れない」という理由のひとつになっています。

イントネーションでも意味が変わる

イントネーションとは言うまでもなく、話すときの声の「高低」の変化のことです。日本語では「抑揚」という言葉がそれに当たります。英語ではこのイントネーションの変化によって意味(ニュアンス)の違いを表現できますが、日本語というのは非常にイントネーションに乏しい言語のため、日本語と同じ具合で英語を話すと「退屈しているか、こちらに対して興味が無いんだな」などと受け止められる危険性すらあります。

意味が変わる例としては、例えば「Excuse me.」で考えてみると、

Excuse me↓(語尾が下がる)だと通常の「失礼します。」の意味になりますし

Excuse me↑(語尾が上がる)だと「(聞こえなかったので)もう一度言ってもらえますか?」というような意味になります。

またExcuse me↑(語尾が上がる)を強い口調で言えば「何を言っているんだ!」というような怒りを表す表現にもなります。

この辺を理解していないと、ネイティブと話しているときに思わぬ誤解を生み大変なことになる可能性もあるのはお分かりいただけるのではないでしょうか。

リズムやアクセントの位置でも意味が変わる

詳しい説明は長くなるのでここでは省略しますが、上記のイントネーションによる意味の変化と同じく、文章を発音するリズム(強く遅くや弱く早くなど)や、単語の中でアクセントをどこに置くかなどによっても意味が変わってくることがあります。いろいろなルールもあるので、それを無視して発音するとネイティブにとっては意味が分からず聞き取れないということにもなりかねません。

「伝わる発音」を使うことはもはやエチケットかも!?

多くの英語ネイティブスピーカーにとって、日本人が使う英語の発音はとても聞き取りづらいものです。「でも何とか通じてるんだからいいじゃん」と思った方、道を聞いたりレストランで注文したりなどその場限りの会話ならいいかもしれません。ですが、外国人の友人ができたり、仕事の相手だったりしたときに「通じてるからOK」と思っているのはあなただけかもしれませんよ。

そう、「自分の英語は問題ない」と思って発音をおろそかにしている人、あなたの英語は「ちゃんと通じている」のではなく、「相手が努力して理解しようとしてくれているだけ」かもしれないのです。

逆の立場で考えれば分かると思いますが、非常に分かりづらい発音の日本語で延々と話されると少なからずストレスを感じますよね。我々が英語を話すときも「相手にストレスを与えないようにしよう」と考えたいものです。相手が頑張って聞いてくれていたとしても、実は内心イライラしていたり、苦痛に感じていたとしたら嫌ですよね。

そういう意味では、英語を話せるようになるというのは日本人にとっての課題ですが、正しい発音で学ぶというのも非常に重要なミッションと言えるのではないかと思います。

英語の発音を練習する際の注意点

英語の発音を練習する際の注意点

英語の発音を練習する重要性が分かったところで、練習を始める前に注意した方がいい点について解説しましょう。

カタカナ英語から脱却しよう!

日本人は義務教育で6年も英語を習うのになぜ聞き取れない・話せないのか。その最大の戦犯は「カタカナ英語」にあると考えられます。5歳から7歳くらいの幼い頃に英語を学び始めた人は、発音がすごくキレイだと言われます。それは単純に小さいころから英語を学び始めたからというだけではなく、それ以上の年齢になるとカタカナを習ってしまうからなのです。

カタカナを覚えてしまったがために、英語を見ると本来の発音よりもまず頭の中でカタカナに変換されてしまい、正しい発音が身につかなくなってしまうのです。

世界中の言語をそれぞれ英語と比べた時に、文法と発音がどのくらい異なっているかという検証があります。それによるとドイツ語やフランス語・スウェーデン語などはわりと英語に近いのですが、よりによって日本語は韓国語と並んで英語から最も遠い言語となっています。

発音に関して具体的な解説をすると、世界の言語には大きく分けて「どんな音にも母音がくっついてくる言語」と「子音を単体で使う場合がある言語」の2種類があり、日本語は前者、英語は後者です。

例えば「あ・か・さ・た・な・は・ま・や・ら・わ」には、全て「あ」という母音が含まれています(a・ka・sa・ta・na~)。一方英語だと、例えば「is」はあくまで「is」であって「イズ」ではありません。カタカナで「イズ」と発音してしまうと「ズ」に母音「ウ」が含まれてしまい、正確な発音ではなくなってしまいます。そのためネイティブには全く違う音に聞こえてしまい、理解不能な音として受けとめられてしまうのです。これが日本人の英語がネイティブに通じにくい理由のひとつです。

また同じ母音ひとつをとっても、英語はもっと複雑です。

ア→ [æ] [ɑ] [ə] [ʌ]
イ→ [I] [iː]
ウ→ [w] [u]
エ→ [e]
オ→ [o]

このように同じ母音でもこれだけの違いがあるのです。

英語と日本語はまさに真逆の言語。カタカナで英語を読んでいるうちは、あなたの英語の発音が通じる日は来ないと言ってしまえるかもしれません。

声の出し方も違うことを意識する

英語と日本語では声の出し方も違うと言われています。よく言われるのが英語は腹式呼吸だということ。日本人の話す英語は聞き取れないとかいう前にまず、音量的に届いていないという場合も多々あるようです。日本人はシャイだから…などと言っている場合ではありません。体育会系ではないですが、相手に届け!という思いを込めてまずは腹から声を出すことを意識しましょう。

また腹から声を…などというと古い精神論のように聞こえてしまうかもしれませんが、実際の音量の問題もありますし、相手にとってみれば「だって聞こえないんだもん」ということになります。そして大事なのは腹から声を出すだけではなく、喉の使い方もあります。

具体的には、英語の方が音程が低く、喉の奥の方で声を出します。日本語は喉というよりは口で声を出す口発音と言われます。喉から声を出せば自然と低い音になり、英語の発音に近づきます。

リンキング・リダクションを理解する

英語にはふたつの英単語を繋げてひとつの単語のように発音するリンキングや、会話中に単語の音が消滅するリダクションと呼ばれる現象があります。

具体的な例を挙げると、「Thank you」の発音は日本人でも「サンク・ユー」とは言いませんよね。2つの単語が繋がって「サンキュー」になります。これがリンキングです。

同様に、、「want to」も「ウォント・トゥー」とは発音しません。1つの「t」の発音を無くして重ねた結果、「ウオントゥー」という発音になります。これがリダクションです。

どちらも、通じる英語を身につけたいと思ったら意識するべき大事なポイントです。リンキングとリダクションについては下記の記事でも解説しています。

発音の具体的な練習方法

英語の発音を練習する際の注意点

さて注意するべき点について分かったけれど、実際にどうやって練習すればいいの?とお思いの方もいらっしゃるでしょう。英会話教室なのか教材なのか、英語発音練習アプリなのか、オンライン英会話なのかはたまた英会話カフェなのか…

絶対にこれ!という正解はありませんし、本来なら文法もリスニングもライティングもスピーキングも並行してやるのが望ましいのですが、あえて発音に重点を置いたものということであれば下記リンク先を参考にしてみてください。

まとめ

英語の発音を練習する際の注意点

英語の正しい発音を身につけるための方法についてお話してきましたが、発音の重要性についてお分かりいただけたでしょうか。

途中でもお話しましたが、正しい発音で話すというのは相手に伝わるかどうかはもちろん、相手にストレスを与えないように話すというもはやマナーの領域でもあります。

またこれもお話ししたように、自分で発音できない言葉は聞き取ることができません。つまり相手の英語を聞き取って正確に理解し、それに対して適切な答えをするといういわゆる英会話をするためには、発音の練習は切っても切り離せないものなのです。

英語の発音を正しいものにするためには、リスニングやテキストを読むだけの勉強ではもちろんダメです。TOEICでいい点数を取っても正しい発音は身に付きません。

またオンライン英会話でフィリピン人講師を相手に会話しても正しい発音を身につけるのは困難です。そういう講師は悪い意味で日本人の英語を聞き取ってくれてしまいますし、発音の正しい教育方法を学んだ講師でないと正しい教え方も理解してはいません。

正しい発音を身につけるためには今回の記事で解説したことをまずちゃんと理解し、そのうえで自分が正しい発音を身につけられる勉強方法は何なのか?どういう学校や教材ならそれが可能なのか?ということを見極めることが肝心です。

本文の途中のリンク先を参考にしていただくのもいいですし、おすすめの発音練習方法に関してはまたこのブログの別の記事でも紹介していきたいと思っていますので、どうぞご期待ください。

BRIT編集部
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