英語のスピーキングが上達するにはどうすればいいいのか?効果的な勉強法は?

英語のスピーキングが上達するにはどうすればいいいのか?効果的な勉強法は?

日本人が苦手と言われている、英語のスピーキング。基本的にほとんどの英語学習者の目的が「英語を話せるようになること」なはずですが、肝心のスピーキングがうまくできない人が多いのは残念なことです。

当サイトでもさまざまな英語の学習法を紹介してきた中でスピーキングに関わる記事も書いてきましたが、今回は特にスピーキングにフォーカスして考えていきたいと思います。

話せない原因は何なのか?効果的な学習法は?など深くまで追求していきたいと思いますので、スピーキングで悩んでいる人はぜひご一読ください。

日本人はスピーキングが苦手?その原因は?

日本人はスピーキングが苦手?その原因は?

日本人が英語が苦手だというのはよく知られている話で、私たち自身もそれは感じていると思います。特に日本の英語教育では話せるようにならないというのは当サイトでも何度も取り上げてきたことです。

実際にビジネスパーソンを対象としたとある調査では、英語を話すことが「苦手」「どちらかといえば苦手」な人は半数以上に及び、英語の4技能である「スピーキング」「リスニング」「リーディング」「ライティング」のうち「スピーキング」と回答した人が55.8%と最も多く2位の「リスニング」(27.6%)の比べて2倍以上となっています。

またTOEICで満点を取っても英語が話せない人がいるというのも当サイトで何度も話題にしてきたところで、筆記での勉強は必要ではあるものの「アウトプットする」というトレーニングが学校教育含めて日本では圧倒的に足りないのが現状です。

日本における英語の学校教育に関しては、ずっと以前からダメだダメだと言われてきたことはご存じのとおり。筆記ばかりで発音などを全く教えないので話せないのは当たり前、などと言われてきました。

ですがそもそも日本の英語教育は、海外の文献を読む必要性から始まったという説もあります。海外の進んだ技術を取り入れるため、話すことよりまず読んで理解することが必要だったわけですね。

しかも読み書き中心の方が点数化しやすいというのもあり、その流れを引きずったままのため日本の英語教育は遅れているというのです。

他にも、なぜこんなにも日本人は英語のスピーキングが苦手なのか?という件については諸説あり、元々の言語間距離が最も遠い(文法自体が日本語と英語では違いすぎる)とか、日本語と英語では音素(母音と子音)の数が倍近く違うなどの理由も言われるところですが、詳しい解説は下記リンク先に譲ります。

スピーキングを上達させるために大事なこととは?

スピーキングを上達させるために大事なこととは?

それでは、効果的にスピーキングを上達させる方法というのはあるのでしょうか?結論から言えば効果的な方法はありますし、また反対に間違った方法もあります。具体的な方法というよりも、心構えとして最初におさえておきたいことをお話しします。

まずは基礎力をつけることを重視

当たり前の話ですが、スピーキングが上達するしない以前に基本的な単語や文法を知らないと英語として話すことすらできません。しかし、TOEICで満点を取っても英語が話せない人がいるとお話したように、必ずしもTOEICで高得点を取れるくらいの単語力・文法力が必要というわけでもないとも言えます。

ではその基本的というのはどの程度?という話になりますが、やはりまずは中学英語をマスターすることです。ここができていないと、スピーキングはもちろん全てにおいて英語を理解することは難しくなります。ここができていない人は、まずしっかり基礎を固めることから始めましょう。中学英語の重要性に関しては下記リンクで詳しく解説しています。

さらに気を付けたいのは、基礎を構築していないのにスピーキング特化のトレーニングをしようとするのはNGということ。つまりは中学英語もマスターしていないのに、いきなり英会話カフェやチャット・オンライン英会話などに手を出すと付いていけないだけでなく、自信を失ってせっかくのモチベーションを失くしかねません。

気がはやるのも分かりますが、中学英語は全ての原点と思って、まずはそこをマスターすることから始めましょう。むしろ、中学英語をマスターできれば流暢にとまでいかなくともちょっとしたスピーキングはできるようになっているはずです。

「英語脳」を構築する

ある程度の基礎力がついた人であれば、「英語脳」を構築するようにトレーニングを積んでいきます。英語脳とは、英語を英語のまま理解することができる脳の状態のこと。この脳があれば、知っている単語や文法を自動的かつ瞬時に引き出せます。一度頭の中で日本語を英語に訳す、なんてことをいちいちやっているようでは英語が話せるようにはなりません。ましてやスピーキングに関して言えば、一度日本語で言いたいことを考えてそれを英語に直して…などとやっている暇などないのはお分かりいただけると思います。

英語脳を作るためには、何かひとつのトレーニングをすればいいというわけではありません。英語力をアップさせるためには、スピーキングだけでなくリスニング・リーディング・ライティング全ての技能をまんべんなく向上させる必要があります。これらは密接にかかわっており、欠けてもいいものはありません。

かといってリーディングやライティングのプロになる必要はありませんし、発音も重要ですがネイティブ並みになりたいわけでもなければ完璧にする必要もありません。

さまざまな学習方法があり、当サイトでもいろいろ紹介していますので、気になったところからでも目を通してみてください。

会話の瞬発力をつける

ここでいう瞬発力とは、相手に伝えたいことをすぐ伝えられることです。上で説明したこととも関連しますが、英語で発音する前に日本語で考えて英語に訳していたのではとても「瞬発力がある」とは言えませんよね。実際の会話では困ること間違いなしです。

ではやはり英語力を上げるしかないのか、という話になってきますが、実は英語でのスピーキングにはひとつコツがあります。それは、自分の言いたいことをなるべく簡単な表現にすること。これを言い換え(リフレイジング)といいます。

日本語をそのまま英語に落とし込もうとすると、自身の英語レベルを超えた表現が必要になる場合があります。例えば「天にも昇る気分だ」という日本語を、あなたはどうやって英語に直しますか?

ここであれこれ考えてしまうより、こう考えてみてはいかがでしょうか。「天にも昇る気分だ」→「私はとても幸せだ

これなら英語力が高くなくても言えそうですよね。「I’m very happy」で済みますから。

このように、わざわざ難しい言い方にするのではなく最初から簡単な言葉・文法で考えるようにすると、瞬発力をもって英語で伝えたいことを考えて発信することができるようになります。

ただ上記の例もしかりですが、実際に自分が伝えたいこととは若干ニュアンスが異なってしまう場合もあります。しかし大筋は間違っていないですし、全く伝わらないより上記の例くらい伝われば十分だと考えられます。これは日本人同士で日本語でやり取りするときにも同じことが言える場合がありそうですね。

定型文やよく使われる言い回しを使い英語らしい文章で話す

いざ英語で話す際には簡単な文章の方がいいという上のトピックとも関連しますが、相手に通じることを重視するならよく使われる定型表現や言い回しを覚えるのが効果的です。これを多く知っておけば、いくら文法的には正しくても「そんな言い方ネイティブは絶対しない」という「奇妙な英文」を話してしまうのを避けられるからです。

奇妙な英文の例はたとえば以下です。

Your marring me is desired by me.

あなたが私と結婚することが私によって希望されている。

もうすでに「お前は何を言っているんだ」という感じかと思いますが、実はこの文、文法的には全く問題ないんです。しかし実際にこれを言われたら問題しかないですよね。

これをよく使われる表現や言い回しで言うと、「I want you to marry me.(私はあなたに私と結婚してほしい。)」で済みます。

問題は、上記の例であれば日本語訳の時点でもおかしい日本語なので気づきますが、日本語訳だとそうおかしくない場合は英語が変だと気付きづらいことです。

よく使われる表現や言い回しを多く覚えることによって、実際には通じない変な英語を使わずに済み、考えずとも反射的に答えることができるようになります。即効性のあるスピーキング力向上方法というわけです。

変な英語をそのまま身につけて「化石化」させない

スピーキングだけでなくリーディング・ライティング・リスニングを含めたある程度の基礎力を持っていないままスピーキングしようとすると、上で説明したような「変な英語」を作ってしまう恐れがあります。やっかいなのが、この自分で創作した変な英語の文章というのは苦労して創出したため頭に刻まれやすく、結果として頭に定着し何度も同じ間違いを繰り返すことになります

これを、第二言語習得研究では「化石化」(fossilization)と呼びます。

一度化石化された知識を修正するのはとても大変です。なので最初に徹底的に基礎を作ることが重要なのであり、スピーキングだけでなくリーディング・ライティング・リスニングすべてが大事だということの証明でもあるのです。

スピーキングを上達させるための学習方法とは

スピーキングを上達させるための学習方法とは

何度も言っているようにスピーキングが上達するためにはリスニングなど他の勉強も必要なため、ここでそのすべてを網羅することはできませんが、当サイトが考える勉強方法の「流れ」を一例としてご紹介しておきます。もちろんトレーニングは他にもたくさんあり一概には言えないのですが、この流れを踏襲していればスピーキング力が見違えるようにはなるはずです。

①中学英語を学ぶ

これは最初の方でも説明しましたね。ここがもう十分にクリアできているという学習者は、この段階は飛ばして構わないでしょう。

②発音を学ぶ

これは①の段階でも本当は気にしたほうがいいのですが、日本人に最も足りていないと思われる学習です。英語が話せるかどうかの境目と言ってもいいくらい重要でしょう。下記リンクを参照してください。

③アウトプットの練習をする

スピーキングですから、最終的には声に出しての練習となります。色々な方法がありますが、大まかなおすすめの流れは以下です。

①オーバーラッピングをする

オーバーラッピングについては下記記事を参照してください。

②リピーティングをする

リピーティングについては下記記事を参照してください。

シャドーイングをする

最強のトレーニングとも言われるシャドーイングですが、難易度が高いため行う流れとしては最後の方になるでしょう。

もちろん、このあたりの段階まで来ればオンライン英会話や英語教室でネイティブとの会話を試みるのも悪くはないでしょう。

まとめ

まとめ

今回はスピーキングにフォーカスしていろいろお話しました。英語を勉強する動機は「英語を話したい」というのがほとんどでしょうから、とにかくスピーキングができるようになりたいと思う人も多いかもしれません。

しかし繰り返しになりますが、英語力というのはスピーキングの練習だけしても上がるものではなく、「スピーキング」「リスニング」「リーディング」「ライティング」の4技能すべてをまんべんなくトレーニングして上達するものです。

なので「スピーキング能力だけと手っ取り早く上げたい」などという考えは残念ながらここで捨てましょう。今回の記事だけでスピーキングについて語りつくせたわけではありませんが、当サイトの他の記事もぜひ参考にしてみてください。何らかのヒントが必ず見つかるはずです。

BRIT編集部
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