英作文の力は「英文にしやすい日本語の文章」をどれだけ素早く作れるかで決まる
英作文は、大学受験や英検の準1級の試験など、リーディング・リスニング・英会話よりハードルが高い分野というイメージがありますよね。独学ではどのように学習を進めていいか悩むでしょう。
まず、結論から伝えておきますと、英作文の力は「英文にしやすい日本語の文章」をどれだけ素早く作れるかで決まります。英作文は目の前にある英文をノートに何度も書きつける、という学習だけでは上達しません。
そのため、ここでは「英文にしやすい日本語の文章」を作るためにしておきたい準備、「英文にしやすい日本語の文章」の作り方、実際の学習方法をご紹介します。あわせて英作文を学習するときの参考書も解説しているので、よければご参考ください。
目次
英作文の力は「英文にしやすい日本語の文章」を素早く作る力
早速、英作文の力を伸ばすために必要なノウハウについて、解説していきましょう。
なお、すでに英語を勉強している人だと、マスターしている部分もあると思います。自分の英語レベルと照らし合わせながら読み進めてください。
事前準備①中学文法をおさらい
まずは、英語の型とも言える英文法のおさらいをしましょう。
ネイティブが日常的に使う英語は、大半が中学英語と言われているので、中学英語をおさらいすれば、英文を作るのに必要な語順やルールなどを、ひと通りおさえることができます。
また、文法書を読むと、「英文にしやすい日本語の文章」が掴めてきます。たとえば、「このパスタ、超うまいんだけど!」より「このパスタはとてもおいしいです」のほうが英文にしやすい、といった具合です。こうした感覚を養えるのも、文法書を読むメリットと言えるでしょう。
ちなみに、勉強するときは、市販のテキストを1冊買うだけで十分です。またそれほど分厚くなくても大丈夫ですので、自分がやり通せそうと思うものを選んでみてください。
事前準備②例文をインプットする
テキストに出てくる例文のうち、簡単な英文のパターンをインプットしましょう。
英文のパターンを覚えれば、短い文章を作る癖が身につきます。複雑な文法の使い方に悩む必要がなくなるだけでなく、相手にも伝わりやすくなるので、この癖は身につけておいて損はありません。
また、短い文章はもちろん、必要に応じて長い文章も書けるようになります。というのも、難解な長文も、実は簡単に文章の組み合わせでできているからです。
スティーブ・ジョブズの名言を例に挙げましょう。
If today were the last day of my life, would I want to do what I am about to do today?
(もし今日が人生最期の日だとしたら、私が今日やろうとしていることは本当にやりたいことだろうか?)
この文章は、3つの短文の組み合わせで構成されています。
1.If today were the last day of my life(もし、今日が人生最期の日だったら)
2.would I want to do(私はやりたいと思うか)
3.what I am about to do today(今日やろうと思っていること)
なので最初は、I play the guitarやThis is a dogといった簡単な英文で英語のパターンを覚えることが大切です。中学文法をおさらいしたテキストに出てくる例文を覚えるのもいいでしょう。
「英文にしやすい日本語の文章」の作り方
英語と日本語は語順やルールが違うため、日本語をそのまま英訳しようとすると難しい表現を使わなくてはなりません。特に日本語はオノマトペ(※)が多く、それに対応する英単語がないこともあります。日本語を言い換える技術があれば「これは英語で何と言うんだろう?」と単語を探す必要がなくなります。
(※)オノマトペとは?
状態や動きを音で表わす言葉のことです。「雨がざぁざぁ降っている」「きょろきょろと周りを見る」のざぁざぁ、きょろきょろがオノマトペに該当します。
以下は、オノマトペが入った文章を入れ替えるときの例です。
原文 | 言い換え | 英文 |
彼はぽつんと立っていました。 | 彼は一人で立っていました。 | He stood alone. |
彼女はモテモテです。 | 彼女はみんなに人気があります。 | She is popular with everyone. |
このように簡単な表現に言い換えるだけで、知っている単語で英作文が作ることができます。素早く言い換えればその分、英文も早く書けるようになるため、
実際の学習方法は「ひたすら書く」
「英文にしやすい日本語の文章」を素早く作るためには、練習あるのみです。面倒かと思いますが、すぐにアウトプットできるようにするためには、日頃からアウトプットする必要があります。何度もバットを振り込まないと、ホームランが打てないのと同じです。
おすすめの方法としては、英語で日記を書いたり、英語でメールのやりとりがあります。以下は日記の例です。
お友達と買い物に行きました。
⇒ I went shopping with my friend.
彼女は靴を買いました。
⇒ She bought a pair of shoes.
私は雑誌で見たTシャツを買いました。
⇒ I got the T-shirts that I saw in a magazine.
日記は色々なことが題材になり、使う文法や単語の幅が広がってきます。正しいスペルも身につきますし、覚えた英文法を使いこなせるようになるでしょう。勉強と囚われずに、さまざま場面で英作文を活用しましょう。
英作文に限らず、英語学習は全ての分野において基礎が要です。基礎を見直すことが英語学習の効率アップに繋がりますし、何となく覚えていても大切な文法を忘れていることもあります。
基礎から学びたい方、基礎を復習したい方に最適な教材をまとめました。英語を効率良く学びたい方も必見の内容です。
英作文学習におすすめの参考書
今回は、おすすめの英作文参考書を英語レベル別で7冊紹介します。文法からおさらいできるもの、日本語の言い換えのコツが紹介されているものなど、英作文の手順を網羅しているものを厳選しました。
英作文は英語の総合力が試されるもの。いろんなジャンルのテキストを買わなくてはいけないの?と感じるかもしれません。しかし、ご紹介している参考書なら一冊で英作文の学習手順を網羅できるでしょう。
英語学習超初心者向け
中学の英文法がわからない方は、英文法のおさらいもできるテキストがおすすめです。文法も英作文も一度に勉強できるなら一石二鳥ですよね。
基礎からのジャンプアップノート 英作文 演習ドリル
基礎の基礎からおさらいできる内容なので、英語初心者でも安心して英作文が学べます。短い文章に始まり、英検3級(中学3年生)レベルを経て英検準2級(高校1年生)レベルの英作文を書くことを目標にステップアップしていきます。
主語・述語を探すところから始まり、文章の組み立て、3行英作文と確実にステップを踏みながら学習することができます。他にも英作文のコツや関連単語も丁寧に説明されており、この一冊で英作文の基礎から応用まで偏りなく学ぶことができるでしょう。
amazonで見るカラー改訂版 世界一わかりやすい英作文の授業
英作文を書く上で大事な考え方がこのテキストのテーマです。わかりやすい説明で、英語初心者でも理解しやすいのが人気の理由です。
「ネイティブの文章の作り方」「英作文作成に必要な考え方」が理解できるので、英作文の勉強を始める前に読んでおくと学習のつまづきが減るでしょう。英文法は理解しているけど、英作文は苦手という方にぴったりの一冊です。
amazonで見る会話もメールも英語は3語で伝わります
テレビや雑誌で話題になった参考書です。筆者の中山裕木子さんはテレビ『世界一受けたい授業』にも出演されました。
メイントピックは、主語・述語・目的語で英作文を書く。このテキストで紹介されているルールを学ぶことで分かりやすく伝わりやすい英作文を学ぶことができるでしょう。
日本語言い換えのトレーニングに最適なテキストです。難しい単語を使ったりまどろっこしい文章になるなど、英作文学習にありがちな問題はこの一冊で解決です。
amazonで見る英語学習中級者から上級者向け
英作文の学習手順は理解しているけど、どのテキストが良いかわからないという方のための参考書をご紹介します。
例文が豊富・メールや手紙の書き方が紹介されている・大学受験レベルにも対応しているなど、英作文をよりレベルアップできるような3冊を厳選しました。
英文法と英作文学習の理屈がわかれば、あとは反復練習あるのみ。ご紹介するテキストを使って、英作文の幅を広げましょう。
ドラゴン・イングリッシュ基本英文100
著者は人気漫画連載『ドラゴン桜』のモデルであり、東京大学合格者が信頼を寄せるカリスマ英語講師。斬新な受験テクニックや勉強法で一躍注目を浴びました。
英作文に欠かせない例文インプットに最適な本です。頻出単語や使える熟語など、それぞれの文章に覚えるだけですぐに応用できる英語のエッセンスが詰まっています。
英検のライティング対策など、資格勉強もこの一冊があれば問題ありません。
amazonで見るどんどん話すための瞬間英作文トレーニング
「瞬間英作文」の学習法が紹介されています。「瞬間英作文」とは、簡単な英作文を使って瞬時に英作文のパターンを身につける学習法のこと。
瞬間英作文をマスターすれば、英語を英語のまま理解するように英作文の瞬発力を鍛えることができるでしょう。英会話を上達させるために必要な理論も学べるので、英語のコミュニケーション能力を高めたい方にもおすすめです。
英作文も英会話も発信という点では同じ分野です。英語で発信するスキルを身につけたいなら、おさえておきたい一冊です。
amazonで見るゼロからスタート英語を書くトレーニングBOOK
英作文の基礎を応用したい方には最適の一冊です。メールやブログ、ビジネス文書まで幅広く対応しており、日常生活に必要な文章を学ぶことができます。
英作文でよく使う表現がたくさん紹介されているのもポイントです。ひとつの文章のバリエーションを増やしたいときにも参考になります。
後半では3行ライティングの方法も紹介されています。英語日記を始めたいなら、この本を手元に置いておきましょう。
amazonで見る大矢復 英作文講義の実況中継(実況中継シリーズ)
大学受験でおなじみの実況中継シリーズの英作文バージョンです。大学受験対策に特化した内容ですが、社会人の英作文学習に役立つ情報が多く紹介されています。
大学受験では自由作文と和文英訳が出題されることが多く、長文英作文のポイントを学ぶことができるでしょう。パラグラフライティングや堅い文章をマスターしたい方はぜひ手に取ってみてください。
amazonで見る英作文を極める方法2つ
英会話と同じで、英作文が上達してくるとよりネイティブの書き方に近い書き方をマスターしたくなるはず。しかし、英作文をネイティブにチェックしてもらう機会はネイティブと英会話する以上に探すのが難しいですよね。
市販のテキストでは物足りない方のために、英作文を極める方法を2つご紹介します。ここまで来れば、ネイティブ顔負けの文章が書けるようになるでしょう。
英作文の添削を依頼する
英作文の添削サービスを利用するのが英作文を極める近道です。ビジネス文書などミスが許されないときや、より伝わる文章を目指すなら利用してみましょう。
添削では、自分では気づかない書き癖や自然な言い回しをアドバイスしてもらえます。 独学では解決できなかった英作文の疑問も解決できるため学習効率も上がるでしょう。
添削サービスによっては単発でお願いできるところも。実力試しに一度添削を依頼するのもモチベーションアップに繋がるはずです。
英文添削アイディー
業界最安値の料金とは思えない高品質な添削で人気急上昇中です。世界で活躍する英語のプロフェッショナルの添削を24時間受けることができます。講師を自分で選べるので、マンツーマン添削も実質可能です。
アイディーが提供する課題を提出するほか、オリジナルの英作文も添削してもらえます。フォーマル・カジュアルとTPOに合わせた添削を依頼できるのもアイディーの魅力です。
料金は1回166円~。添削初心者ならアイディーの添削をおすすめします。
公式HPを見る英語試験ライティングセンター
英検1級と準1級の英作文を専門とした添削サービスです。合格者を多数輩出しており、その評判はお墨付き。
文法のミス以外により良い表現を提案してもらえたり、足りないスキルに基づいたおすすめの学習教材を紹介してもらえます。英語試験ライティングセンターの添削なら、短期間でスコアアップも夢ではないでしょう。
一回430円で単発OK、24時間365日添削を依頼できて通学の必要もありません。英検対策の最終チェックに利用すれば、万全の体制で試験に臨むことができるでしょう。
公式HPを見るTOEIC Speaking & Writing Testsを受けてみる
あまり知られていませんが、TOEICでは会話と英作文の試験も実施しています。写真描写問題・Eメール問題・意見記述問題など、本格的な英作文に挑戦できます。
実際のビジネスシーンに即した内容が多く、英語を使って仕事をしたい方は押さえておきたい資格です。TOEICは傾向と対策を知ることが重要なので、テキストを購入し挑戦してみましょう。
公式HPを見るTOEICは、英作文に限らず、英語レベルを計る上で欠かせない資格です。しかし英語学習初心者だと何から始めていいかわかりませんよね。
英語をイチから勉強する方におすすめの教材を厳選しました。TOEICに初挑戦する方もこのテキストさえ押さえておけば高スコアが期待できるでしょう。
まとめ
英作文は難しいというイメージを持つ方が多いですが、「英文にしやすい日本語の文章」を素早く作れれば、一気に上達するでしょう。
英作文をマスターすれば、英語でブログを書いたりSNSで外国人と交流したりできるなど、自分の世界が広がります。また、単語や文法を駆使するなどの点から見ても英会話と英作文は共通点が多いので、英会話上達にもつながります。本記事でご紹介した内容が、英語の総合力を高めるきっかけになれば幸いです。
ちなみに、今回は学習のサポートツールとしてテキストをご紹介しましたが、実はブログで英作文のノウハウを身につけることもできます。
下記では、おすすめの英語学習ブログをご紹介していますので、仕事が忙しい方や決まった時間に英語を勉強することができない方は、ぜひお読みください。