英語の読み方のコツとは?英単語のスペルから発音を知る方法と勉強法

英語の読み方のコツとは?英単語のスペルから発音を知る方法と勉強法

英単語の発音で「このスペルでどうしてこんな読み方になるのか」と首をひねったことはありませんか?私自身、子供の頃から思い返しても何度かあったのを思い出します。日本人はどうしてもローマ字で読もうとしてしまいますからね。

「コーヒー」という単語のスペルがなぜ「kohii」とかではなく「coffee」になるのか頭を抱えるような時期もあったでしょう。ましてや正しい発音は(強引にカタカナで書くと)「カーフィー」ですからね。

では英語圏の子供たちはどうやって読み方を習得するのか?ひたすら一個一個の単語を覚えていくしかないのか?それとも英語圏に住んでいるから自然に覚えていく?

いえ、ネイティブの子供たちもそれなりの学習を経てスペルと発音のマッチングを覚えていくのです。今回は単に発音の学習ということではなく、英語のスペルと発音の関係性やルールなどについて学んでいきましょう。

英語を初見で正しく読むのは至難のワザ

英語を初見で正しく読むのは至難のワザ

英語というのはつづりを見ただけではなかなか正しい音が想像できない言語です。これは我々日本人が英語が苦手だからではなく、ネイティブの人でもそうなのです。その証拠に、英語圏の子供は日本人より本を読めるようになる年齢が遅めと言われています。

要因としては、日本語は字面を見ただけで正しい発音が分かる(ひらがな・カタカナ)ということが挙げられます。ひらがな・カタカナさえ覚えれば、たとえ聞いたことのない単語でも読むことができるのです。

意味は知らない単語でも「ネゴシエーション」とか「ふりーらんす」とさえ書いてあれば、発音できない子はほぼいないですよね。あとは本に漢字が多かったとしても読み仮名さえ振ってあれば読むことができます。

しかし英語圏の子供でも「hat(ハット)」と「hate(ヘイト)」という単語の読みを(もちろん知らなかったという前提ですが)初見で分かるのはほぼ無理です。

英語はなぜこんな複雑な作りになっているのかについては、元々英語が本来の言語以外に外来語も混ざっているからだという説もあります。外来語をガンガン取り込んでいった結果、単語の綴りと実際の発音が剥離していったというわけですね。理由としては分からないでもないのではないでしょうか。

また日本人にとっては、英語が日本語とかなり違う言語だということも障害になります。そもそもの文章構造もそうですが、英語には日本語にはない発音が非常に多いため発音も聞き取りも難解になっているのです。

この辺の違いについては、下記リンク先で詳しく説明しているので参考にしてください。

スペルと発音が初見で分かりづらい単語の例

スペルと発音が初見で分かりづらい単語があるのはもちろんアメリカ英語だけではなく、比較的文法的にも正しくきっちりとした英語と言われるイギリス英語も同様です。例えば以下はイギリスの地名ですが、初見で分かりますか?

Buckingham…バッキンガム
(バッキンガム宮殿のバッキンガム)

Greenwich…グリニッジ
(グリニッジ天文台のグリニッジ)

Worcester…ウスター
(ウスターソースのウスター)

①に関しては「途中のhはどこ行った?」と思いますよね。②も初見ならほぼ全員が「グリーンウイッチ」と読むはずです。③もこんな長いスペルだとは思わなかったのではないでしょうか?

アメリカの人名などでもあります。「Stephen」を「スティーブン」と読むなど、なんだか納得できない気すらしますよね。「リンカーン(大統領)」も「Lincoln」だったりします。

ちなみに余談ですが、アメリカの人気バンド「LINKIN PARK(リンキンパーク)」は当初、サンタモニカの公園の名前に因み「LINCOLN PARK(リンカーンパーク)」という名前にしたかったそうですが、すでにインターネットのドメイン名がおさえられていたためにやむなく「LINCOLN PARKと同じ発音である」LINKIN PARKに落ち着いたそうです。これも発音に慣れていない日本人としてはモヤっとしますね(笑)

英語圏の子どもが英語の読み方を覚える方法とは

英語圏の子どもが英語の読み方を覚える方法とは

それでは、英語圏の子供たちはどうやってスペルと発音を覚えているのでしょうか?それがフォニックス(phonics)。最近は日本でも知られるようになってきたのでご存じの方もいらっしゃるかと思います。教育現場でも取り入れる動きが進んでいるようですので、日本の英語教育も少しは前進するかもしれません。

フォニックス(phonics)とはどういう学習方法なのか

フォニックス(phonics)とは、アルファベットと発音の間にある基本的なルールを説明することによって英語の読み方を教えるもの。英語圏の小学校や英会話スクールのほとんどが取り入れている、最もポピュラーな教え方の一つです。

フォニックスの何が優れた点かというと、フォニックスのルールを知っていれば英語のスペルの75%~80%を読むことができるということ。スペルを見ただけで読める率が上がれば、便利なだけでなく学習も楽しくなってきます。

フォニックスの内容についての詳しい解説はまた別記事でしようと思いますが、ここでは「英語のアルファベットと発音の間には基本的なルールがあり、それを学ぶことによって多くの英語が初見で読めるようになる。それを教えるのがフォニックス」ということだけ頭に入れておきましょう。

しかし、です。ここからがポイントなのですが、「じゃあフォニックスさえ学べば英語を読むのはもう大丈夫」…というわけにはいきません。フォニックスで75%読めるようになると書きましたが、では残りの25%は何なのかというとフォニックスのルールに当てはまらない例外なのです。「それが25%もあるの?」と思ったあなたは正解です。しかもさらなる問題は、その25%の中に非常によく使われる重要単語が多いということなのです。

ここまで読むと、フォニックスがいいのか悪いのか分からなくなってきた人もいるのではないでしょうか。その疑問はもっともですし、事実フォニックスを学習することを手放しで勧めない教育者もいるほど。

ではその「よく使われる重要単語も含まれる」25%に関してはどうしたらいいの?という疑問で出てくるのが「サイトワード」という学習法です。

「サイトワード」で例外的な読み方を学ぶ

「サイトワード」とはSight(視覚)とword(単語)という言葉から成り立っている語で、よく目にする頻出用語を優先して学習する方法。言ってしまえば丸暗記と一緒です。どうせ例外も含まれるのだったら、超頻出単語はもう割り切ってそのまま覚えてしまおうというわけです。

英語圏の子供たちはサイトワードを最優先で習得させられるそうです。このサイトワードを習得することによって、日常的に使われている英文や英会話の90%をカバーできるとか。

サイトワードには2人の研究者が作成したワードリストがあり、それぞれドルチ・ワード・リスト(Dolch Word List)フライ・ワード・リスト(Fry Word List)と呼ばれ若干内容が違っています。

どのワードをサイトワードに入れるかというのは研究者たちの間でも意見が分かれているようですが、いずれにしろ生活していくうえで最低限知っておきたいワードリストであることには変わりありません。

最低限必要な超頻出ワードってどの程度?ということで、下記にざっと列挙してみます。

and
blue
can
down
funny
go
here
in
jump
little
me
play

どうでしょうか?あくまでほんの一部ではありますが、我々でも知っている&重要頻出語だと分かるワードばかりですね。

このようにフォニックスとサイトワードを学ぶことによって、初見の単語でも読める確率が高くなり、また日常生活に必要な単語を身につけることができるというわけです。

フォニックスとサイトワードに関してはそのうち、それぞれ別の記事で詳しく解説してみたいと思いますのでお待ちください。

発音記号にも注目

発音記号にも注目</

英語の発音は、発音記号からも知ることができます。辞書などで発音記号を見られる環境にあるなら、発音記号の読み方を覚えておけば正しい発音が初見でも分かるので、学んでおいて損はありません。

発音記号とは、言語の発音を体系的に表記するために作られた記号のこと。音標文字・音声記号とも呼ばれ、その数は45個になります。多い!と思われるかもしれませんが、何千と覚える必要のある英単語に比べれば微々たるもの。そもそもアルファベットは26文字と日本語より少ないのですから、そう恐れることはありません。

ところが、日本で広まっている発音記号の体系には3種類あります。国際音声学会によって1988年に定められた「IPA(International Phonetic Alphabet:国際音声記号)」、イギリス人音声学者のDaniel Jones氏によって提唱された「Jones式」、同じくイギリス人の音声学者A.C.Gimson氏によって開発された「Gimson式」です。

このうち日本人に一番なじみがあるのが、多くの英和辞書・和英辞典で使われているJones式。しかし、現在世界の主流はIPAと言われています。そのため、学ぶならIPAがいいでしょう。他の2つもIPAをベースとして作られたもののため、とりあえずIPAを覚えておけば間違いない、というような感覚でOKです。

細かい解説は今後また別の記事に委ねますが、発音記号を覚えることはスピーキング・リーディング・ライティング・リスニング全ての要素において役に立ち、総合的な英語力向上の助けになります。フォニックスやサイトワードを学ぶにしても発音記号を読めたほうが有利なことは間違いないので、これを機にぜひ学習計画に入れ込んでみましょう。

英語を覚えるのにカタカナ英語は厳禁?

英語を覚えるのにカタカナ英語は厳禁?</

当サイトでも何度となく言及していますが、英語を学習するうえでカタカナ英語で覚えるのは厳禁です。カタカナ英語が正しい発音でないのは言うまでもなく、一度カタカナで脳にインプットしたものを使うときにさらに正しい発音に翻訳しなくてはならないからです。

ましてや、ここまで説明してきたように英語はスペルを見ただけでは発音がイメージしづらい言語ですし、日本語とは母音・子音の数や構造も大きく違います。それをカタカナへ変換して覚えるというのは、わざわざ遠回りをしているようなものです。

とにかく、前提として「英語はカタカナでは表せない」くらいに思っておいた方がいいでしょう。無理やりに英語の発音をカタカナで表しているのもよく見かけますが、結局それって遠回りしているだけでは?と個人的には思ってしまうのです。

英語は一度日本語というフィルターを通してから理解するのではなく、英語は英語そのままとして理解するのが正しいし最も近道であると思います。

英語を英語のまま理解する、それが英語脳。最初に日本語で理解してから英語脳に切り替えるのではなく、初めから英語脳を作る気持ちで学習した方がより英語を身につけやすくなるはずです。

まとめ

まとめ

今回は英語の読み方、特に初見の単語の読み方をスペルから知る方法や知っておいたほうが良いことについて解説してきました。

重要なポイントは、今回紹介したフォニックスやサイトワードの勉強をネイティブの子供たちはもちろん、英語を第2外国語として使う各国の人たちも頑張ってしてきたということ。

日本でも昔は話せても読み書きができない人は一定数いました。現代の我々で読み書きができない人がほぼいないのは、義務教育で教え込まれているからです。

英語に関しても義務教育には入っていますが、欧米の子供たちと同じような教育にはまだなっていません。リスニングとスピーキングに関しては確かに向こうの人たちが有利かもしれませんが、結局彼らも「国語」のようにフォニックスやサイトワードなどを勉強しているのです。

そういう意味では我々がフォニックスやサイトワードを学ぶのも同じこと。当然のようにネイティブたちがやってきたことを、我々もやるだけのことです。そう考えると少し希望が見えてくる気がしませんか?

ネイティブと同じくらい流暢に英語を話せるのは遠い道のりかもしれません。ですが、その前段階としてのフォニックスやサイトワードに関してはマスターするのにそこまで遠い道のりでもないですし、身につけられれば達成感も得られ英語がますます好きになるはず。

文中でも話しましたが、フォニックスやサイトワード・発音記号などはまた別の記事で特集していきたいと思っていますので、楽しみにお待ちくださいね。

BRIT編集部
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