to不定詞って覚えてる?用法や見分け方も詳しく解説!
中学校で習った「to不定詞」を覚えているでしょうか。
そこのあなた、顔をしかめないでくださいね。でも確かに、英語の文法が苦手だった人にとっては二度と聞きたくない単語だったりするのかもしれません。英語自体は好きでも、文法は嫌い…という人もいますからね。
To不定詞と動名詞が出てくるまでは英語が得意科目だったのに…
なんていう人もいるとか。
しかし、このサイトを見ている人たちは多くが大人になってから英語を勉強したいと思っている人のはず。当時は難しかったり嫌いだと思っていたことでも、今なら理解できるかもしれませんよ。
ぜひこの機会に、「不定詞・to不定詞のことなら私にまかせろ!」といえるくらい得意になってしまいましょう。
そもそも不定詞とは?
そもそも不定詞とは何でしょう?不定詞というからには定詞もあるの?など色々疑問もありますよね。この機に、大本の定義から理解してしまいましょう。
不定詞の定義
では、まずはWikipediaでの不定詞の説明を見てみましょう。
不定詞(ふていし)とは、動詞を起源とする、名詞、形容詞、副詞など他の品詞の働きをする準動詞の一種。活用せずに主語の人称、単数、複数などに「限定」されないことから不定詞という。現代の多くの言語で動詞の辞書の見出しの語形として使われる。
さて、「何を言っているかさっぱり分からん」と、さじを投げないでくださいね。
まず、不定詞とは準動詞の一種であると。準動詞とは、動詞でありながら同時に名詞・形容詞・副詞などの性質も帯びているもののことです。 不定詞・動名詞・分詞などがそれにあたります。
そして不定詞は「名詞」「形容詞」「副詞」の働きを持つ準動詞だということですね。
また通常、動詞は主語や文脈によってsやedが付いたりして変化しますが、不定詞は変化しない原形のままの状態を使います。
主語がI(1人称単数)でも、We(1人称複数)でも、She(3人称単数)でも、They(3人称複数)でも、なんであろうが不定詞は何も限定されない、すなわち何の変化も起きない。なので「不定詞」なのです。他の要素に定められない=不定、だから不定詞という名前なんですね。
ここまではいいでしょうか?まぁこの不定詞という言葉の意味はそこまで重要ではないので、頭が痛くなってきた人はとりあえず忘れてください。
というより、不定詞という言葉自体が本質を見えにくくしているとすら思うので、最初にこの名前を付けた人をとっちめたいところですが、これはこういうものだと思ってもう諦めることにしましょう。
不定詞は2種類ある
さて、この不定詞は「to 不定詞」として習ったと思いますが、「なんでいちいちtoを付けるの?」とか「to 不定詞=不定詞なんじゃないの?」と思う人もいたはずです。
実は不定詞は2種類あり、そのひとつがto 不定詞。もうひとつは原形不定詞です。不定詞=to 不定詞ではなかったんですね。
原型不定詞とは、to不定詞のtoが省略されて動詞の原形だけが残った不定詞のこと。
She made him clean the room.
(彼女は彼に部屋を掃除させた。)
などがそうです。cleanの前のtoが省略されています。原型不定詞については当記事では割愛しますが、いずれ学ぶことになるので頭の片隅に入れておいてください。
to不定詞の3用法
to不定詞の基本形は、「To+動詞の原形」です。これはもう言うまでもないですね。
そしてto不定詞には3種類の用法があります。それが「名詞的用法」「形容詞的用法」「副詞的用法」です。それぞれについて解説していきましょう。
to不定詞の名詞的用法
不定詞にtoを付けることによって名詞のような働きになる「名詞的用法」。意味としては「~すること」となります。名詞のような働きなので、名詞と同様に主語・補語・目的語として使われることが多いです。
例えば、
①【to不定詞が主語】
To learn foreign languages is interesting.
(外国語を学ぶことはおもしろい。)
②【to不定詞が補語】
My dream is to work for UNESCO.
(私の夢はユネスコで働くことです。)
③【to不定詞が目的語】
He decided to study abroad.
(彼は留学することを決意しました。)
どれも名詞のような働きをしていますね。ただ一点、このサイトの英語学習者として覚えておいてほしいことがあります。
1番目の「to不定詞が主語」ですが、文法的には間違ってはいないものの、ことわざや格言以外で文頭に主語としてto不定詞を置くのは、実は不自然なこととされています。
ではどのように言ったらいいかというと、
To learn foreign languages is interesting.
↓
It is interesting to learn foreign languages.
意味は同じですが、下の方が英語としてより自然な文となります。せっかく当サイトを見てくださっているので、ここはぜひ覚えておいてくださいね。
to不定詞の形容詞的用法
続いてはto不定詞の形容詞的用法です。形容詞は名詞や代名詞を修飾するもの。to不定詞の形容詞的用法も同様ですが、to不定詞の直前の名詞を修飾するのが特徴。普通だと形容詞は「a tall boy」とか「long pens」のように名詞の前に置かれますが、to不定詞の形容詞的用法では名詞の後に置かれるというのがポイントです。
意味としては「「~するための」「~すべき」というのが多いですね。例を見てみましょう。
①She needs someone to help her.
(彼女は自分を手伝ってくれる人を必要としています。)
②Please give me something to drink.
(何か飲み物をください。)
③ It is time to get up now.
(さあ起きる時間です。)
意訳していますが、①は「手伝うための人」、②は「飲むためのもの」、③は「起きるべき時間」と考えると分かりやすいかもしれませんね。
to不定詞の副詞的用法
副詞的用法のto不定詞は副詞と同様、名詞以外の動詞・形容詞・副詞・節を修飾するのが仕事。一度文章が完結し、その後にto不定詞が置かれるのが特徴です。
また副詞的用法はさらに4つの用法に分類することができ、それぞれ異なった訳し方をすることになります。個別に見ていきましょう。
副詞的用法~目的用法
He studies English hard to study abroad.
彼は留学するために英語を熱心に勉強しています。
「留学するために」という目的を表していますね。「He studies English hard」でも十分意味が通じる文章として完結していますが、to以下がそれを修飾する形になっています。
副詞的用法~感情の原因・理由を表す用法
His mother was happy to hear the news.
彼の母親はその知らせを聞いて喜んでいました。
この場合は、ハッピーという感情の原因が「to hear the news」ということになりますね。
副詞的用法~判断の根拠
Maki is kind to help old people.
老人を助けるなんてマキは親切です。
この場合はマキを「kind」だと判断した根拠が、to以下の理由ということになります。「~なんて○○だ」と訳すパターンですね。
副詞的用法~結果
My son grew up to be a soccer player.
息子は成長してサッカー選手になりました。
to以下が「grew up」を修飾していますが、「~ために(目的)」「~によって(原因として)」「~なんて○○だ」どれも訳としては当てはまりません。「サッカー選手になるために成長した」って何か変ですし、「サッカー選手になったことで成長した」というのも文としては成り立っていますが、ここで言いたいことはそうではないはずです。
ここはやはり「その結果として」という意味で「成長して→サッカー選手になりました」と捉えるのが正解でしょう。
to 不定詞の3用法の見分け方
to不定詞の3用法が分かったところで、それぞれの見分け方について知っておきましょう。これを知っておかないと、文の解釈を間違ってしまう可能性があります。
名詞的用法の見分け方
一番簡単に見分けられるのが名詞的用法なので(というより、形容詞的用法と副詞的用法を見分けるのが複雑なのですが)、まずは最初に「名詞的用法かどうか」を見分けて、切り分けたほうがいいかもしれません。
名詞的用法かどうかを判断する材料は、to不定詞がひとかたまりで「~すること」と解釈できるかどうかです。例えば以下の例文は名詞的用法になります。
My hobby is to read books.
(私の趣味は本を読むことです。)
「to read books」が「本を読むこと」と、ひとかたまりで解釈できますね。もう少し詳しく言うと、to不定詞が文の要素(主語・目的語・補語)になっているのが名詞的用法です。
形容詞的用法と副詞的用法の見分け方
to不定詞が「~すること」と、ひとかたまりで解釈できない場合は、形容詞的用法か副詞的用法のどちらかということになります。
次に見るのが、to不定詞の直前が名詞かどうかです。ここで名詞でなければ、それは副詞的用法と確定します。
You were careless to make such a mistake.
上記の文では、to以下を「そんなミスを犯すこと」と訳すよりは「そんなミスを犯すなんて」と訳したほうが自然ですね。ということはto以下をひとかたまり(~こと)とは捉えられないので、名詞的用法ではないと判断できます。
次にtoの直前を見てみましょう。「careless」は名詞ではなく形容詞ですから、ここで副詞的用法と判断できますね。
さて、to不定詞の直前が名詞だった場合はどうでしょうか。その場合は、条件によって形容詞的用法か副詞的用法に分かれることになります。
ここでの判断は、直前の名詞を修飾しているかどうかです。修飾している場合は形容詞的用法、していない場合は副詞的用法となります。
I want something to drink.
(私は飲むための何かが欲しい。)
Somethingという名詞をto drinkが後ろから詳しく説明していますね。よってこの場合は形容詞的用法です。
I visited Nara to see my uncle.
(叔父に会うために、奈良を訪れた)
上記の場合は、to以下がnaraという名詞を修飾していません。というわけでこちらは副詞的用法となります。
このあたりの感覚は難しいと感じる人もいるかもしれませんが、多くの文章に触れていけばつかめるようになってきます。文章を読むときにto不定詞が出てきたら用法について考えてみると、その文をより正しく理解できるようになるでしょう。
まとめ
今回はto不定詞についてということで、かなり「お勉強」チックな内容になってしまいましたが、理解できましたでしょうか?
正直、日常会話で意識するようなものではありません。会話中に「この場合は副詞的用法で…」なんて考えませんからね。
ただ、使い方を間違えると意味が変わってしまい、相手に正しい意図が伝わらない場合もあります。日常会話で自然に使えるよう、普段の英語学習の中でトレーニングを積んでおくと、いざという時に役立ちますよ。