大人が英語のやり直しを始めるにあたって重要なポイントについて考えてみる。
大人になってから、英語をやり直したいと考えている方は多いのではないかと思います。思えば中学高校の6年間、場合によっては大学でも勉強したはずの英語ですが、残念なことに話せる人はごくわずかです。一方、国際化社会のなかで英語の必要性はどんどん高まり、仕事でも英語を使う必要性が多くなってきています。あなたも「もう一度英語を勉強してみようかな…」と思ったことがあるのではないでしょうか?
また仕事で使うわけではなくとも「海外旅行で役立つ英語を身につけたい!」とか「映画を字幕なしで観られるようになりたい!」など英語を改めて学びたい人も急増しています。
今回は、社会人になって大人が英語のやり直しをしたい!と思ったときにどうするべきか、どんな方法がベターなのかについてお話していきたいと思います。
目次
大人にとってのやり直し英語とは?
さて、英語の勉強をやり直したいと思ったときに、まず何を考えるでしょうか。
「英語に触れないまま長い月日が経過しているから、何から手をつけていいかわからない…」
「基本的なことをすっかり忘れているから、中学英語の参考書から始めた方がいい?」
「そもそも大人になってから英語をやり直したところで身につくのか?」
…などとさまざまな疑問や不安があるかと思います。ひとつづつ解説していきましょう。
そもそも大人が英語のやり直しをできるのか?
もういい歳の大人になって英語をやり直そうとしたところで遅いのではないか、と躊躇ってしまう人が意外と多いようです。確かに英語以外の学問やスポーツなど、年齢が関係してくるものは無いとは言えないかもしれません。しかし、
英語のやり直しに関しては年齢は関係ない
と言ってしまってもいいでしょう。その理由を説明します。
大人の脳は理論的に理解できる
よく、「英語は文法ばかりやっても話せなければ意味がない」とか、「子供は特に文法や理論を知らなくとも言葉を覚えることができる。だからとにかくリスニングをするべきだ」なんていうのを聞いたことがありませんか?
その意見は完全に間違っているとは言いませんが、現状に即しているとは言えません。
まず、子供が視覚や聴覚を使って感覚的に学ぶことに優れており、大人が同じレベルで感覚的に英語を習得していくことは難しいのは事実です。
それでも、海外に住んでいるなど日常的に大量の英語をシャワーのように浴びることができる環境にいればある程度自然に英語を身につけることは不可能ではないかもしれません。大量の英語を聞いたり話したりを繰り返せば「分かる・分からない」「通じる・通じない」というトライ&エラーを「否応なく」たくさん経験することができます。その場合、文法をしっかり理解していなくても自然と英語の構造が理解できるようになる可能性は十分にあります。
ですが、日本に住んでいる以上、英語圏に生まれて毎日英語に囲まれて過ごす子供と同じ量の英語を、日本で普通に生活しながら浴びるのは不可能です。
しかし「じゃあやっぱり大人になって英語をやり直すのは無理なんじゃ…」と思うのも早計です。なぜなら大人の脳は子供よりも理論的に、体系的に学ぶのが得意だからです。子供には理解するのが難しい方法で、大人は理解することができるのです、
なので、リスニングはもちろん重要だが、大人にとっては文法の理解も大事ということができます。
ではどうすればいいのか?というと、中学レベルの英文法を勉強することです。逆に、中学レベルの英語をマスターできれば、日常生活では困らないばかりか、映画やドラマのほとんどのセリフを聞き取ることができます。
中学英語の重要性は、こちらの記事でも説明しています。
ちなみにこれは「第二言語習得理論」と言われ、研究されています。
実際に、大人になってから英語をやり直して身につけた人がいる
積極的に英語学習について調べたり実践したりして関わっていくと、大人になってからのやり直しで英語を身につけた人というのは意外にいます。20代から、30代後半から…英語のエキスパートになって通訳者になる、なんていうとまた別の問題になってくるかもしれませんが、日常や簡単なビジネス英語なら40代を過ぎても身につけられると言い切っていいでしょう。なぜなら、実際にそういう人たちがいるからです。
中学英語の参考書から始めた方がいいのか?
上でも説明した通り、中学レベルの英文法を学んだほうがいいのは確実です。では、当時に戻ったつもりで教科書を開きますか?参考書を開いて机に向かい、1日1時間や2時間と決めて勉強しますか?
なんだか、失敗の予感しかしませんね。
そもそも、それができる人は最初から迷わないはずです。また、同じ文法を学ぶ勉強でも効率のいい学び方と効率の悪い学び方は存在します。
そしてこれは「だからこそ悩む」という部分でもあるのですが…大人は、世の中にあるさまざまな英会話教室や英語スクール・教材・オンライン英会話などを自分で選ぶことができます。
子供のうちは義務教育か、親が許してくれた塾や教室などでしか学べないことがほとんどですが、大人になってある程度の財力があれば、自分で良いと思ったところにお金をかけることができます。
場合によっては数十万円かかるようなところでも選べるのは大人ならではといってもいいでしょう。
これに関しては当サイトでもさまざまな英語教材などを紹介していますので、そちらを参考にしていただくのがいいでしょう。またひとつ付け加えるとすると、最初から気負いすぎないことです。土日だけとかでもいいので、楽しく長く続けられることをまず第一に考えてプランを練ったほうが得策です。
英語から離れて時間がたっているけれど…
英語が自転車や車の運転のように一度身につけてしまえばすぐに思い出すものなのかどうかは議論が分かれるところですが、日本の英語教育では発音を教えません。そういう意味では、英語から離れているというのはさしてハンデではないということもできます。もちろん当時学んだ文法など忘れているかもしれませんが、「文法は大切だが、それだけではない」ということも忘れないでください。
せっかくやり直すなら重要なのはこのポイント
さて、大人の英語のやり直しについて、中学英語の文法も大事という話をしましたが、せっかく英語を「やり直す」のであれば、日本の役に立つのか立たないのか分からない義務教育の英語より、もっと実践的な英語を学びたいと思う人もいるのではないでしょうか。
今までの英語教育と違う方法でやり直したいなら、重要視したいのは発音です。
義務教育の英語では発音を全く教えません。その結果どうなるかというと、正しくない発音であるカタカナ英語で単語がインプットされてしまうのです。カタカナ英語では正しい発音が身につかないだけではなく、「自分が発音できない音は絶対に聞き取れない」と言われるようにリスニングにも弊害が出てきます。
せっかく英語をやり直すのですから、義務教育のときにカタカナ英語でインプットしたものを正しい発音で覚えなおしましょう。なおかつ、これから覚える単語に関しては最初から正しい発音で覚えてしまえば、後で脳内メモリーを修正したりする必要もありません。
言うまでもなく、英語をやり直すなら話せる英語力を身につけるべきです。そのためには文法のみならずインプット(リスニング)とアウトプット(スピーキング)が重要。その根幹を形成するために必要なのがカタカナ英語ではなく正しい発音で英語を覚えることなのです。
また、英語をやり直すにあたって「学生時代に全然英語の勉強をしなかった…」という人、カタカナ英語で変なクセがついていないだけラッキーと前向きに考えるようにしましょう。それもひとつの真実です。
発音の勉強に関しては、以下の記事もおすすめです。
資格試験を受けるなら…?
英語やり直しに際して、具体的な目標を定めたいという人もいるでしょう。仕事で使うとか、外国人の友人と英語で話したいとかがある人はいいのですが、特にこれといって直近の具体的な目標がない(海外旅行で使えたらいいなと思うけれど、すぐに行く予定がないなど)の場合は資格試験を目標にする場合もあるかと思います。
英語の資格試験といえば皆さんTOEICを思い浮かべると思いますが、これから英語をやり直すのであればTOEICではなく英検の方がおすすめです。
なぜかというと、TOEICは受験者全員が同じ問題を解くシステムなので、自分のレベルに合った学習をするのが難しいからです。
またいきなりTOEICの勉強を始めると、スコアを上げるためのテクニックに走ってしまい、結局スコアも英語力も伸び悩むという悪いパターンに陥る危険性があります。
これが英検だと、自分のレベルに合った級を選べるので着実にステップアップしていくことができます。またライティングとスピーキングを含めた4技能を測れるというのもメリットです。バランスよく学習を進めることができるので、やり直しにはうってつけです。
英検2級も取れるようになればTOEICでも公式問題集で対策するだけで700点以上狙えるので、TOEICの点数が必要という人でも無駄になることはありません。
今の時代ならではの方法を活用する!
これを読んでいる人の年齢にもよりますが、少なくとも「社会人」と呼ばれる大人であれば、自分が子供のころに比べてインターネットの発達は目覚ましいと感じる人は多いはずです。
昔に比べて、オンラインで学べるオンライン英会話や教室、あるいはYouTubeなどネットを通じて英語を学べる方法は増えています。せっかく英語をやり直すなら、それら最新の学習方法を積極的に取り入れるのもいいでしょう。
以下の記事も参考にしてみてください。
気負わずに楽しく。まずは四の五の考えずやってみよう!
英語のやり直しは、途中で挫折するかも…というのが誰しも恐れるところではないでしょうか。「継続できなきゃ意味がない」ということは皆さん分かっていることと思います。「やり始めたはいいけれど挫折するのが怖い…」と思っているなら、考えるのはやめてとりあえず始めてみることをオススメします。
はっきり言います。
挫折したっていいじゃないですか。
一番ダメなのは、挫折することを恐れて何も始めないことです。
もちろん人によりますが、大人になってからの勉強って、やってみると思った以上に楽しいものですよ。
なぜなら、点数が低くても誰からも怒られることなどないし、疲れてめんどくさくなってサボってしまっても誰からも咎められることなどないからです。
筆者の経験では、「あれ?勉強ってこんなに楽しかったっけ?」と思いましたよ。
強制されない勉強というのは思った以上に楽しいものです。
恐れずにトライしてみてください。ダメだったら挫折しても怒る人はいないのですから。
まとめ
今回は、英語をやり直したいと考えている人に気を付けてほしいポイントを説明しました。
大人になってから始める英語学習で最も大事なのは、効率・能率を重視することです。なぜなら、社会人は基本的に忙しいから。子供とは違い、大人には大人のやり方があります。英語を身につけるためには、学生時代の苦手意識や挫折感は忘れ、大人ならではの学習方法を見つけることが重要です。
英語をやり直すのに遅すぎるといったことはありません。むしろ、英語をやり直したいと思った今こそがチャンス。このチャンスを逃す手はありません。今が最高の機会だと思って、ぜひ英語学習のやり直しにチャレンジしてみてください。