「フォニックスは大人には意味ない」は嘘!発音が上手くなりたい人は必見!

「フォニックスは大人には意味ない」は嘘!発音が上手くなりたい人は必見!

最近は日本でも知られるようになってきたPhonics(フォニックス)。当サイトでも何度か話題にしたことがありますが、ご存じの方はどれくらいいらっしゃるでしょうか。

英語学習においての発音の重要性に関しては何度も述べているとおりですが、では我々大人が英語を学ぶ際にもフォニックスは役立つのでしょうか?学習の一環として取り入れるべき?

今回は改めて「フォニックスとは何か?」ということと、私たちがどう学習に組み込んでいったらいいかを考えていきたいと思います。発音の上達に悩んでいる人なら知っておいて損はない情報ですので、ぜひ最後まで読んでみてください。

Phonics(フォニックス)とは何か

Phonics(フォニックス)とは何か

知っている人には今さらかもしれませんが、最初にPhonics(フォニックス)とは何か、ということについて改めて詳しく知っておきましょう。

Phonics(フォニックス)の概要

Phonics(フォニックス)とは、英語の発音とスペリングの関係性を学ぶための学習メソッドで、発音記号とは別の概念です。ネイティブの人たち(イギリスやアメリカなど)は、そのほとんどが幼稚園の終わり頃から小学校の1年生辺り、または英会話スクールでこれを学びます。

ではなぜフォニックスのようなメソッドが必要なのか。それは英語の文字が発音とイコールではないからです。

例えば、「apartment」という単語を発音するとき、日本人はカタカナで「アパートメント」と発音してしまう人が多いと思います。しかし実際の発音で近いのは「アパーtメンt」です。何を言っているか分かりますか?この単語ではtの部分を「ト(to)」と発音するのは間違い。あくまで子音のみの「t」と発音しないとネイティブには聞き取ってもらえないのです。

フォニックスではa/b/cをエー/ビー/シーではなく、ア/ブ/クのように読みます。

(便宜上カタカナで表記していますが、実際はア/ブ/クではなくちゃんとした英語の発音で学びます)

フォニックスを学んだ人が初めて「bag」という単語を見た場合、

b=ブ・a=ア・g=グ

ブァグ(バッグ)と読む

となるわけです。

我々日本人が国語や漢字を習うように、英語圏でも全く何も勉強しないで皆が英語を読めるわけではないんですね。

よく言われるフォニックスの特徴としては、これを学んでおけば英語のスペルの75%~80%を初見で読むことができるようになるということ。(ただし必ずしも全てのワードがフォニックスの規則に当てはまるわけではなく、残りの25%の例外がそれを示しています。)

またその逆で、耳で聞いただけでスペリングが分かり正しく書くことができるようになるという面もあります。

フォニックスを学ぶメリットは

フォニックスを学ぶことによって、すでに述べたとおり英語の発音とスペリングの関係性が分かり、初見で読み方が分かったりします。ですがメリットはそれだけではありません。

フォニックスを学ぶことは単に英単語力がアップするというだけではなく、「聞く・話す・書く・読む」の4技能すべてが向上するという意見もあるほどです。

我々日本人が苦手な「L」と「R」の違いも、幼い頃にフォニックスを学んでいれば正しい音を正確に習得することができるというのですから、どうして学校で教えてくれなかったんだ!と思うかもしれませんね。事実、近年は小学校で英語教育にフォニックスを導入するところが増えているようです。

ただ幼い頃の方が効果は高いとはいえ、我々大人には効果がないというわけではありません。むしろ長年で身についてしまった「カタカナ英語(日本語訛り)」を矯正するのにもフォニックスは効果的なのです。

Phonics(フォニックス)に実際に触れてみよう

Phonics(フォニックス)に実際に触れてみよう

概要について話していてもピンとこない人もいるでしょう。実際にどのようなものか、フォニックスに触れてみましょう。まずは下の表を見てください。

アルファベット フォニックス 単語の例
a エイ apple
b ビー book
c シー cook
d ディー ドゥ drive
e イー bed
f エフ フッ fish
g ジー google
h エイチ house
i アイ big
j ジェイ jeans
k ケイ bike
l エル look
m エム moon
n エヌ an
o オゥ pod
p ピー peach
q キュー クゥ question
r アール ゥル write
s エス spoon
t ティー トゥ took
u ユー up
v ヴィ vase
w ダブリュー walk
x エックス クス box
y ワイ ィヤ year
z ズィー zoom

上記が英語における「アルファベット読み」と「フォニックス読み」の関係性です。これはあくまで基本で、アルファベットの組み合わせによってさらに様々なルールがあります。

その他のフォニックスのルール

フォニックスには大きく分けて8つのルールがありますが、ここでその一例を見てみましょう。

マジックE(サイレントE)

「最後に付くeは読まない」「母音の部分がフォニックス読みではなくアルファベット読みになる」というのがサイレントEです。

例えば「same」という単語を見てみましょう。何と読みますか?「サメ」ではないですよね。フォニックス読みして「スアムエ」?これも私たちの知っている読み方とは違いますね。

ではこれを上のルールに従って読んでみましょう。まず最後のeは発音しません。そして母音の部分「a」をアルファベット読みすると「エイ」になります。そうすると、ス+エイ+ム=「スエイム(セイム)」という発音になるわけですね。

サイレントEが適用される単語は無数にあります。

fine

bake

hide

cute

cake

use

eve

note

どれも上のルールに即して読んでみると、理由が分かりますよね?

同じ文字の連続~子音連続

子音が2つ連続すると、基本的なフォニックスのルールからは外れて違う読みになる単語があります。

例えばCはフォニックス読みで「ク」、hはフォニックス読みで「フ」ですが、連続してchになると全く違う読み方「チュ」になります。

他にもs(ス)とh(フ)を合わせてsh=「シュ」となったり。このような子音連続は他にもあります。

wh(ホ)

ph(フ)

th(ズ・ス)

ck(ク)

ng(ング)

これらは基本的なフォニックスのルールから外れた例外なので、覚えるしかありません。これはもうそういうものだと割り切って覚えてしまいましょう。

同じ文字の連続~母音連続(二重母音)

母音が連続する場合があります。この場合のルールは2つあり、ひとつは

①母音が2つ並ぶと後ろの文字の音が消えて、前の母音がアルファベット読みになる

Tea (aが消えてeがアルファベット読み)

Meet (eがひとつ消えてeがアルファベット読み)

Speak (aが消えてeがアルファベット読み)

Pie (eが消えてiがアルファベット読み)

Fruit (iが消えてuがアルファベット読み)

rain (iが消えてaがアルファベット読み)

②母音が2つ並ぶと全く別の発音になる

これも子音連続と同じで覚えるしかありません。深く考えず覚えてしまいましょう。(英語の母音は日本語より多い点に注意してください)

oo(ウッ・ウー)

oi・oy(オイ)

ou・ow(アウ)

au・aw(オー)

ew(ユー)

例えば「boil」という単語だと「ボイル」になりますね。

なぜ日本では学校教育でフォニックスを教えなかったのか

なぜ日本では学校教育でフォニックスを教えなかったのか

冒頭でも少しお話ししたように、最近では小学校でもフォニックスを取り入れるところが増えてきているようです。しかし少なくとも現在「大人」の年齢である人たちのほとんどがフォニックスを知らなかったはず。

なぜ日本の学校教育ではフォニックスを教えなかったのかについては、いろいろ理由があります。

①英語の発音を知らない子に文字を与えても無意味と考えられていた

②教師自体が正しい発音ができないため英語の発音指導ができない

③フォニックスより発音記号と発音の習熟が大事と考えられていた

④ネイティブではかなり低学年向けな内容のため(中学生以上にやらせるようなものではない?)

どれも、むぅ…と思われる理由ですね。一理あるような無いような…。ですが、それどころか「フォニックスは意味ない」という意見も根強く存在するのです。次はその理由を見ていきましょう。

フォニックスは意味ないと言われる理由

フォニックスは意味ないと言われる理由

それでは、フォニックスは意味ないと主張する人たちの意見はどのようなものか見ていきましょう。

フォニックスは完璧ではないから説

フォニックスは完璧なルールではないから、学ぶのは無駄だという意見があります。確かに冒頭でも説明したように、フォニックスのルールは75%の単語に当てはまりますが残り25%の例外には当てはまりません。問題は、その残り25%の中に使用頻度の高い重要な単語が多く含まれていることです。

しかし、完璧でないから学ぶ意味はないというのも乱暴な話です。25%の例外に関しては頻出する単語が多いのですが、それゆえに既に多くの人が知っている簡単なワードも多いのです。

この「フォニックスのルールに当てはまらないが、日常で多く使われるので覚えるしかない」単語を「サイトワード」といいます。下記記事で説明しているので参考にしてみてください。フォニックスについても触れています。

フォニックスを学んでも単語の意味は分からない=話せるようにならないから説

タイトルのように、確かにフォニックスは「読み方」を学ぶメソッドであって単語の意味までは分かりません。しかし、正しい発音を身につけるという点では大いに意味があります。特にカタカナ英語に慣れてしまった大人が発音を矯正するのには十分に役に立ってくれるでしょう。

また、例えば小学生が「不動産」という言葉の意味を知らなかったとしても、それが「ふどうさん」と読めるようになるのには十分意味があるとは言えないでしょうか?

日々大量の英語に、シャワーを浴びるように触れている必要があるから説

フォニックスは英語圏のネイティブが幼い頃に学ぶものです。つまりタイトルのように「日々大量の英語に、シャワーを浴びるように触れている」ことが前提で作られている学習法。そうではない環境の、しかも大人が学んでも意味はないという説を唱える人もいます。

しかしこれも完全に本質を突いているとは言えないと考えます。何故なら多くの日本人が自覚しているとおり、英会話における日本人の最大の弱点は発音だからです。

フォニックスばかりに時間をかけて他の文法などの学習がおろそかになるのは、確かに得策とは言えません。しかし発音がちゃんとできていないと、いくら文法が正しくても通じないのが英語というもの。それを矯正できるなら、フォニックスに意味が無いとは言えないでしょう。

カタカナで解説されている教材が多いから説

日本のフォニックスの教材は、カタカナで説明されているものもあるのが事実。カタカナ英語から脱却するのが目的なのに、カタカナ英語発音が身についてしまっては元も子もないですね。これに関しては確かに、正しい発音の仕方や実際の音声が付いている教材を選ぶ必要がありそうです。

まとめ

まとめ

今回は「フォニックスを学ぶことは大人にとって意味が無いのか」について解説しました。当サイトとして、フォニックスの勉強をお勧めする理由、および注意したい点についてまとめると以下のようになります。

・フォニックスを学ぶことはカタカナ英語の矯正に役立つ。

・ただし、フォニックスばかりに時間を取られるのではなく、文法などの学習も怠らない。

・正しい発音やネイティブの音声が付いている教材を選ぶ必要がある。

上記に留意して学習すれば、大人にとってもフォニックスは十分に効果および意味があります。アメリカにおいてですら教育への導入に賛否両論あったほどなので反対意見があるのも理解はできますが、こう考えてはどうでしょう。

国語でも、漢字の勉強はしますよね。しかし全ての漢字を覚えるのは無理ですし、漢字の勉強ばかりに時間を割いていても国語の点数は上がりません。あくまで学習の中のひとつのメソッドとして意味を持つのではないでしょうか。

フォニックスは今の英語学習にさらにプラスして、より英語力を高めるブースターのようなものとして適度に学べば十分に効果を実感できるものだと思います。

発音力をもっと向上させたいという人なら、ぜひ一度フォニックスの教材をあたってみて損はないでしょう。

BRIT編集部
【この記事を書いた人】BRIT編集部 大人のための英会話の勉強方法や話題の英語教材をご紹介しています。
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