英語の勉強計画はどう立てる?挫折したくないなら“数値”を使おう!

英語の勉強計画はどう立てる?挫折したくないなら“数値”を使おう!

いざ「英語を話せるようになりたい!」と思っても、どのような手順を踏めばいいのか分からない……という方は多いでしょう。

そこで今回は、英語のスピーキング力を測るテスト「Linguaskill Business(リンガスキルビジネス)」の「CEFR」という指標を軸に、勉強計画を立てる方法をご紹介します。というのも、このテストを用いた勉強は、日常英会話を重点的に学びたい人にも適しているからです。

「ビジネス英語まで身につけたいわけではないんだけどな……」という人でも、効率よく身につけたいなら、ぜひ本記事で紹介する内容を参考にしてみてください。

計画を立てる前に:「Linguaskill Business」でスタートを把握し、ゴールを設定しよう

計画を立てる前に:「Linguaskill Business」でスタートを把握し、ゴールを設定しよう

計画を立てる前に、現時点での自分の実力を知ることと、自分の目標を具体的にすることはとても重要です。それによって目標までの距離が明確になり、取るべきアクションがわかります。

そこで本記事でオススメしたいのが、Linguaskill Businessの「CEFR」という指標を用いること。CEFRをベースに考えることで、「自分の現在のスピーキング力」「目標達成に必要なスピーキング力」がどのくらい離れているのか客観視できます。

Linguaskill Businessって何?

Linguaskill Businessは、ビジネスシーンで求められる英語力を測定できるオンラインテストです。

特徴は、テストの分野がリーディング&リスニング、ライティング、そしてスピーキングの3つに分かれていて、それぞれ単体で受けられること。自分が上げたいスキルをピンポイントで測れるので、冒頭でもお伝えしたように、とにかく会話力を磨きたい人に大変オススメです。

また、テスト結果は、CEFR(外国語運用能力を評価するためのガイドラインに基づいた、グローバルスタンダードな指標)で受け取ることができます。具体的には、次のような形です。

Linguaskill Business・Can-Do Statementについて

(引用:Linguaskill Business・Can-Do Statementについて

スタートを把握する方法

現時点での自分の実力を知るために、Linguaskill Businessだとどの位置にあたるのか確認してみましょう。今の自分は「C1」から「A1」までのどれに近いか見てみてください。

英語が苦手な人、あるいは初心者の方ですと「A1」になるかと思います。日常英会話はある程度できて、これからビジネス英語を身につけたいと考えている方なら「A2」となるでしょう。

もし、より確実に知りたい場合は、一度Linguaskill Businessのテストを受けるのもオススメです。ただ、日本の学校教育はスピーキングをほとんどなおざりにしてきたため、これまで英語が得意科目だと思っていた人でも「A1」という判定が下ることがしばしばあります。もちろん、これから磨けばいいだけで落ち込む必要はないのですが、やる気を落とさないようにするために心に留めておいてください。

ゴールを決める方法

同じく、「Can-Do Statementについて」の表を参考に決めます。日常会話レベルを目指したい人は「B1」、ビジネスレベルの英会話力を目指したい人は「C1」に目標設定するといいでしょう。

スコアを達成したら、やりたいことは何?目標達成後の自分を具体的にイメージしよう!

学習のモチベーションを保つには、「英語を話せるようになったら、何がしたいのか」を具体的に考える必要があります。たとえば、CEFRで「C1」を取って海外駐在に挑戦する、「B1」を取ったらハワイに行って英語だけで3日間過ごすなどです。

私の場合、これまでは「英語が話せるようになったらいいな」と漠然としか考えていなかったために、結局勉強が続かず、中途半端なところで挫折してしまっていました。しかし、「海外でも絶対に仕事を続けたい!」という目標を持って再びやり始めたところ、その目標が強いモチベーションになり、続けることができたのです。今は日々英語を使って仕事ができています。

目標は、もちろん壮大である必要はありません。ただ何をしたいのかまだ決まっていない人は、勉強を始める前に一度立ち止まって考えてみてほしいと思います。

計画の立案:まずはざっくりした計画を立てよう!

計画の立案:まずはざっくりした計画を立てよう!

自分の現在地点と目標が明確になったら、いよいよ具体的な学習計画を立てます。最初にざっくりとした計画を立て、目標地点までの見通しをよくするのがオススメです。具体的な手順は次のとおりです。

①目標達成までに必要な学習時間を計算する

②1週間でどのくらい学習できるか確認する

③目標達成までの期間を出す

以下、順に解説します。

①目標達成までに必要な学習時間を計算する

スタートとゴールが明確になると、自分がいくつCEFRを上げなければいけないのか掴めたと思います。「A1」の人が日常英会話レベルである「B1」を目指すなら2つ、「A2」の人がビジネスレベルの英会話力である「C1」を目指すなら3つですね。

では、そもそもCEFRをひとつ上げるのに、どのくらいの学習時間が必要なのでしょうか。

一般的に、Linguaskill Businessとよく似た、IELTSのOverallのスコアを0.5を上げるのに必要だと言われている時間は100~300時間です。

この100~300時間には、スピーキング以外の学習(ライティングやリーディングなど)にかかる時間も含まれていますので、ここでは一旦「IELTSのスピーキングで0.5アップするには100時間必要」と考えることにします。

さて、これを前提とした上で、「IELTSのスコア」と「Linguaskill BusinessのCEFRの基準」の換算表を見てみましょう。

IELTS NAVI -アイエルツ ナビ
・目的別の目標スコア

(引用・IELTS NAVI -アイエルツ ナビ・目的別の目標スコア

この表によれば、IELTSのスコア1アップ=CEFRワンランクアップとわかりますね。したがって、CEFRを1つ上げるのに必要な勉強時間は、200時間と言えるでしょう。

②1週間でどのくらい学習できるか確認する

目標までに必要な学習時間がわかったら、自分の生活を見直しながら、学習できる時間がどのくらいか考えてみます。そこでひとつ質問させてください。

「あなたは1週間のうち、何時間ぐらい英語の勉強にあてられますか?」

仕事や家事・育児など毎日時間が取れない理由はたくさんあると思いますが、1週間で最低でも10時間は確保したいところです。

時間の確保が難しい方は、家族に家事の協力を依頼する、食事は外食やテイクアウトで自炊にかかる時間を減らすなど、時間を作る工夫を考えてみてください。通勤時間が長い方は、リスニング勉強の時間に充てたり、単語を覚えるなど、通勤時間も上手に活用しましょう。

③目標達成までの期間を出す

自分の英語学習にあてられる時間を確認したら、目標達成にかかる期間を計算します。たとえば、1週間での学習可能時間が10時間で、現状がCEFR「A2」、目標がCEFR「C1」の人の場合、次のようになります。

1週間での学習可能時間:10時間(平日毎日1時間、休日合計5時間)

現状:CEFR「A2」=IELTS3.0

目標:CEFR「C1」=IELTS7.0

現状と目標のCEFRレベル差:4.0

4.0スコア÷1ランクアップ×20週間=80週間=20か月

1週間での学習可能時間が10時間なら、「A2」から「C1」になるには20か月かかるとわかりました。約2年間の勉強で、初級者レベルからビジネスレベルになれると思ったらなんだかワクワクしませんか?

計画の立案:具体的な勉強方法を考えよう!

計画の立案:具体的な勉強方法を考えよう!

自分のゴール達成までにかかる期間や日々の勉強時間を確認したら、今度は日々の具体的な勉強の中身を考えます。

なお、学習計画は、1週間単位で決めるのがオススメです。「毎日必ず1時間」などは仕事などの突発的な事象によって、どうしても確保が難しいことがあるでしょう。1週間ベースであれば、帳尻合わせがしやすく、ペースを崩さずに計画通りに勉強を進められます。

スピーキング力を伸ばすオススメの学習法

私は、通学型英会話教室に英会話サークル、英会話バーなどありとあらゆる方法を試しました。しかし、スピーキングを伸ばしたいのであれば、その効果や効率の良さ、費用面から取るべき手段はオンライン英会話一択だと断言できます。したがって、メインの勉強法をオンライン英会話にして、それをベースに1週間の学習計画を立てるのがオススメです。

ちなみに、オンライン英会話は、その多くが1レッスン25分ですが予習や復習に30分程度かかります。1週間で10時間程度勉強できる人でも、1週間で10レッスンが限界でしょう。

ただ実際には、リスニングに特化した勉強時間を設けたり、単語や文法を暗記する時間も重要です。ですので、10時間学習できる人は1週間で8レッスン程度が目安となるでしょう。

オススメのオンライン英会話

現在、オンライン英会話サービスは乱立状態にあり、良いサービスを選ぶのが難しくあります。以下にオススメと、当サイトで詳しく紹介した記事をあげましたのでご参考ください。

・ネイティブキャンプ

通常のオンライン英会話は25分が1レッスンとなりますが、ネイティブキャンプは5分、10分など短時間でのレッスンの受講が可能で、スキマ時間を活用しやすくなっています。忙しくまとまった時間の取りにくい社会人に重宝するサービスです。

・ビズメイツ

ビジネスでの英会話に特化した英会話を学べます。価格は高いですが、講師の質も良く、実際に仕事で英語を使う予定のある方にはオススメできます。

リスニングや単語・文法の暗記する学習方法

スピーキング力を上げるためには、英語を聞き取る力(リスニング)のトレーニングも必要です。また「どんな言葉を使えばいいのか」「どう表現したらいいのか」がわからないと言いたいことも言えないので、単語や文法の勉強もやはり欠かせません。

これらについては、下記で詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

計画通りの学習継続に役立つオススメのアプリ

1週間の学習可能時間をベースにして、オンライン英会話を中心に勉強を進めていく方法を紹介しましたが、日によって勉強にあてられる時間が異なり、進捗管理は難しいと思います。そこで、勉強時間の管理・勉強の継続に役立つツールを紹介します。

アプリ版!ぬりえ勉強法『コソ勉』

15分勉強したら蛍光ペンでマス目を1つ塗って、進捗管理をするぬりえ勉強法のアプリ版です。蛍光ペンの色は、オンライン英会話は赤、英単語の暗記は青、という風に勉強項目ごとで色分けもできるので、自分の足りない学習項目や時間を割いている勉強が何なのかを可視化できます。

メインのオンライン英会話に加えて他の勉強もバランスよくできているか把握するのにオススメのアプリです。

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ついスマホを触ってしまう人にオススメ!『Forest』(有料)

こちらのアプリは、スマホを触っていない(他のアプリを利用していない)時間の長さに比例して、植物が成長し、スマホを使用する(他のアプリを使う)と、植物が枯れていくという面白いアプリです。

いざ、勉強しよう!と机に向かっても、ついスマホを触ってSNSを見たり、ゲームをしてしまう人は少なくないと思います。仕事や家事・育児など何かと忙しい社会人だからこそ、わずかな時間も無駄にせず、勉強にあてたいですよね。計画通りの勉強時間を確保するために、とてもオススメのアプリです。

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大人の学び直しに最適!『Studyplus』

こちらは累計会員数が500万人を超える勉強アプリの定番です。学生向けアプリですが、『週刊ダイヤモンド』の英語学習記事で取り上げられるなど、学び直しをしたい大人にも適していると評価されています。

アプリ内にはコミュニティ機能があり、同じ学習目標を持った方とコミュニケーションを取ることも可能です。ひとりで学習しているとモチベーションが続かない方は、ぜひ利用を検討してみてください。

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スケジュール管理と言えばコレ!『Googleカレンダー』

スケジュール管理で有名なのは、やはりGoogleカレンダーでしょう。機能が豊富なのにシンプルで操作しやすいという、さすがはGoogleと思わせるようなアプリです。時間単位でスケジュールを書き込めるので、細かくスケジュールを組みたい人にも向いています

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計画実行にあたっての注意点

計画実行にあたっての注意点

最後に、勉強を計画通りに実行し、着実に英語が話せるようになるための注意点を説明します。

うまく進められなかったら計画の見直しをする

これまで紹介した計画の立て方を参考にし、実際に実行してみたときに「このペースだときついな」「全然追いついていないな」と感じた場合は、できるだけ早く計画を見直しましょう

大切なのは、計画通りにこなすことではありません。自分が着実にステップアップできるやり方を選び、考え、実行することです。ときには、一度立てた計画をガラリと変える覚悟を持つようにしていただければと思います。

自分の弱点を把握!苦手な部分に勉強時間を使おう!

文法や語彙、リスニングもスピーキングを伸ばす上で関連して伸ばさなければなりませんが、得意な部分と不得意な部分があると思います。その際は、TOEICのテキストで学習してみるのがオススメです。TOEICでは文法やリスニング、単語に関する知識の問題がバランスよく出題されるので、TOEIC対策の学習は苦手な部分を把握して重点的に伸ばすのに適しています。

・オススメのテキスト『TOEICテスト公式問題集-新形式問題対応編』

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復習より予習!予習を重視してオンライン英会話を受講しよう!

オンライン英会話の授業を受けるときは、与えられたテキストの内容に目を通すことはもちろん、スモールトークで話す内容を先に決めておきましょう(例:今日の楽しかったこと、夜ご飯の内容など)。また、できれば、その内容を話すために必要な単語や文法を確認しておいてください。

特に英語が全く話せない初めの頃は、予習無しでは全く英語が出てこず、先生の話を聞くばかりになったり、考えている時間が長くなったりと授業が無駄になりかねません。

またオンライン英会話に慣れてきてからも、事前に話す内容を決めたり、言葉や文法を選んだりすることは、スキルを伸ばし続ける有効な方法です。常に予習に重きを置き、流れ作業にならないようにしましょう。

テストで成長を定期チェック!4か月~半年に1回はLinguaskill Businessを受ける

CEFRは、今ご紹介したような方法を用いつつ、計画通りに進めていけば約5か月で1ランク上がります。ただ、語学の習得には人それぞれ停滞期と急成長期があり、必ず誰もがその期間で伸びるわけではありません。5か月やったから大丈夫!ではなく、定期的にテストを受け、その手応えを通して自分の成長を感じてみてください。

また、テストは、スコアの変動によってその勉強が効果的だったかどうかも教えてくれます。たとえば、リスニングを重点的に磨くトレーニングをしてから受けたときに、スコアが大きく上がれば、そのトレーニングを続けたほうがいいと判断できるでしょう。勉強法の見直しのためにも、4か月~半年に1回はテストで成果を確認してみてください。

まとめ

まとめ

今回は、Linguaskill BusinessのCEFRという指標を使って、勉強の計画の立て方についてご紹介しました。英会話力も見える化できること、一定の学習時間を確保して計画的に勉強すれば、自分も英語がペラペラになれる可能性が大いにあることを理解していただけたのではないかと思います。

当サイトBRITでは、本記事以外にも英語が話せるようになるためのマインドや勉強法についてもご紹介しています。よろしければ、一緒に参考にしてみてください。

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